●大阪渡船(おおさかとせん)

 大阪市内には、2005年(平17年)4月現在で8系統(15隻)の市営渡船が運航されています。これの渡船は生活には欠かせない地域の重要な交通手段として活躍しており、通勤・通学を始め買い物や観光に至るまで様々な人達に利用されています。

 大阪渡船は全て無料ですが、乗船出来るのは歩行者と自転車のみで、原付1種以上のバイクや車での利用は出来ません。

●大阪渡船の歴史

 昔より『水の都』として多くの川があった大阪では多くの場所に渡船がありました。1907年(明治40年)には安治川・尻無川・淀川に市営の渡船場が合計29カ所設置されていました。1920年(大9年)4月に旧道路法施行により渡船は無料化。その後、ほどんどの渡船は市営となり、1935年(昭10年)には渡船場は31カ所に設置され、保有船舶数69隻(機械船32隻、手漕ぎ船37隻)、年間利用者数約5752万人、自転車などが約1442万台を越え、最盛期を迎えます。

 しかし1935年以降、多くの場所において橋梁の架設や道路整備により徐々にその数を減らし始めます。1944年(昭19年)9月の安治川隧道完成により、源甚兵衛渡船を始め4カ所の渡船が廃止されたのはその一例です。数を減らしながらも重要な交通手段として戦争中も運行されていた渡船でしたが、大阪大空襲を始めとする度重なる戦災により1945年(昭20年)には壊滅状態に陥ります。

 1948年(昭23年)、大阪市内15カ所において渡船は復活。再び地域の重要な交通手段として活躍します。しかし、戦後の活躍はそう長くは続かず、戦災復興や都市開発による道路の整備やモータリゼーションの進展もあって利用は減少。橋の整備・架橋に伴い、渡船の数も減少してゆきます。

 利用者数も1978年(昭53年)度には12カ所で年間利用者数約250万人、2001年(平13年)度には現在の8カ所となりますが年間利用者数は約209万人になってしまいました。

【参考資料】渡船場マップ(大阪市発行)

●現在の大阪渡船

 2005年(平17年)4月時点で、以下の8カ所で運航されています。 船は13〜15mぐらいの大きさで、50人弱乗りと80人乗りの2種類があります。詳しくはこちらをご覧下さい。>>彷徨猫的渡船の基礎知識

 運航時間は朝6時〜21時まで。平日・土曜・休日によって終了時間が渡船によってバラバラで、18〜19時台で運行が終了する渡船もあるので、利用される方は時刻を確認して下さい。概ね昼間は15〜 30分おき(木津川は45分おき)、平日に朝夕ラッシュ時は10分おきもしくは随時運行されています。

 1月1日は全渡船が休航(木津川渡船のみ1月1〜3日は休航)。荒天候などにより運航が困難な場合も休航となります。

 渡船は全て無料ですが、原付1種以上のバイクや車での利用(乗船)は出来ません。また各渡船場乗り場には駐車場はありません。市営バス・地下鉄をご利用下さい。

問い合わせ先>>大阪市建設局渡船事務所 :06-6531-0548

注意>>DATAなどは2005年4月時点のものです。

渡船巡りの参考に・・・>>大阪渡船巡りオフ会レポート

↑大正区発着の渡船地図

●安治川隧道

 安治川には川底を通るトンネル(かつては車も通行していました)である安治川隧道があります。橋ではなくトンネルによって渡船が置き換えられた珍しい場所です。 以前は源兵衛渡船がありました。

 渡船とはまた別の趣があります。渡船巡りと共におたずね下さい。

◆左の写真をクリックして下さい。

★渡船と隧道を訪れる方へのお願い

 渡船と隧道は、住民の方にとって生活には欠かせない交通手段です。観光用施設などではありません。身勝手な振る舞いは迷惑をかけることになりますのでくれぐれも慎んで下さい。

 渡船と隧道は全て無料ですが、すべて係員がいます。乗下船時や利用した後は係員に一言お礼を言うようにしましょう。ここに書くまでもなく、こういうことは常識なんですけどね。

>>彷徨猫旅記録TOPに戻る