大阪渡船

千本松渡船(せんぼんまつとせん)

起点:大正区南恩加島1丁目→終点:西成区南津守2丁目/管理・運営:大阪市建設局

◆概要

 木津川を渡る渡船場で、大正区南恩加島(おかじま)1丁目と西成区南津守2丁目を結んでいます。千本松大橋の真下を船は進んでいます。岸壁間の距離は 230m。昼間は15分おきに運航されています。平成13年度現在、一日平均約1270人の利用があります。

 この場所は、江戸時代は廻船の出入りが激しかったため、幕府は水深を深く確保し、1832年(天保3年)に防波堤として大きな石堤を築きました。この堤防上には松が植えられたそうで、『千本松』の名はここから来ています。

 1973年(昭48年)に通称”めがね橋”と呼ばれる千本松大橋が完成。木津川を船が通るため、橋中央部で約323mとかなり高い橋になっています。渡船は廃止されることになっていましたが、地元住民の強い希望により存続が決定。現在に至っています。

◆乗船レポート【大正区→西成区方向で乗船】

 大正区側乗り場は千本松大橋西詰(大正区側)の真下にあります。野球場脇の通路を進むと堤防を越えて乗り場に到着します。見上げると千本松大橋の橋梁が延びています。対岸の西成区側乗り場は、橋東詰の少し下流側にあるので、渡船は斜めに進み大橋と交差するように進んでいます。

 事務所は大正区側にあり、出発時刻になると係員が下りてきてすぐに乗船開始となります。木津川河口付近は船の往来が頻繁な場所なので、渡船運航時に上流・下流側より船が接近する場合があります。この場合、渡船は船の船尾側より船を大きく迂回して進んで行きます。何もなければ出発するとすぐに面舵を取り、対岸乗り場に向かってほぼ直進して行き、対岸乗り場直線で取り舵を取って接岸しています。

 西成区側乗り場入口は、千歳橋東詰の大橋入口です。ループ道路脇の側道に入り少し進んだ所に入口があります。

 大正区側の乗り場入口。ループ橋西詰にあるグ

 ランド脇の通路から入ります。

 乗り場は大橋西詰の真下にあります。コの字の

 スロープを下りると桟橋があります。

 対岸(西成区側)から船が到着。次々と乗客が

 下りてきます。この後、扉を閉めてしばし休憩。

 西成区側から出発。対岸の大正区側乗り場に

 向かって直進して行きます。

 こちらは西成区側乗り場。バス停のような待合

 所があるだけです。

 乗り場へは千本松大橋東詰の側道に入ります。

 横の建物は中古車卸売センター。

◆乗り場行き方

>>大正区側

 地下鉄・JR環状線大正駅から大阪市営バス「鶴町4丁目」行き乗車。「大運橋通」バス停下車。東へ徒歩約10分。 または76系統乗車で「千本松大橋西詰」バス停下車。東へ徒歩約2分。

>>西成区側

 なんばバスターミナルもしくは地下鉄千日前線桜橋駅、四つ橋線住之江公園駅から市バス29系統乗車。「南津守」バス停下車。西へ徒歩約8分。または住之江公園駅から市バス76系統乗車。「南津守2丁目」下車。西へ徒歩約5分。

 地下鉄四つ橋線岸里駅から大阪市営バス赤バス「西成西ループ」乗車。「南津守」バス停下車。西へ徒歩約8分。

乗船日:2005年4月17日

自転車(MTB)にて乗船。

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船町渡船(ふなまちとせん)

起点:大正区鶴町1丁目→終点:大正区船町1丁目/管理・運営:大阪市建設局

◆概要

 木津川運河を渡る渡船で、岸壁間は渡船中では一番短い75mとなっています。そのため他の渡船のようなS字は描かず、船町渡船では円を描いて”右回り”でグルグルと回っています。

 川幅が狭いことから、昭和20年代後半〜30年代にかけては船を連ね、その上に板を敷いて人や自転車が通行していたそうです。

 大正区船町側は工場しかないので、平日の朝夕ラッシュ時は工場への通勤渡船という

状態になるようです。

◆乗船レポート【船町→鶴町方向で乗船】

  木津川大橋北詰交差点から西へ向かって進みます。どん突きは市バス「西船町」バス停。ここの角を曲がった行き止まりが船町渡船乗り場です。最近になって改良・整備されたのでしょう。真新しいコンクリートで出来たスロープを上ると堤防を越えて乗り場に到着します。

 対岸まで75mしかないのですぐ近くに鶴町側乗り場と事務所が見えます。船町側には待合所しかありません。出発時間になると係員が下りて来て乗船・出発。右回りでぐるりと円を描いて1分ぐらいで船町側の乗り場に到着します。出発するとそのまま右回りで円を描いて進み、船の左舷側から桟橋に接近します。円を描いて回るため、船の左舷側の扉しか使用していません。

 鶴町側乗り場の待合所は、他のバス停待合所みたいなモノではなく、昔ながらの平屋建ての待合室となっています。内部の板間(?)は年季が入っており歴史を感じさせます。

 なお木津川運河は、1929年(昭4年)に木津川と尻無川を連絡する目的で開設されたとのことです。

 船町側の乗り場。道路の行き止まりにありま

 す。周囲は工場地帯です。

 船町側の待合所。他と同じくスロープを下りた

 所にあります。

 対岸の鶴町側乗り場を見ます。真中にある△の

 表示は『投錨注意』というものです。

 鶴町側から出発。川幅が狭いため右回りで接

 近してきます。 

 鶴町側乗り場の真正面に船町側乗り場があり

 ます。

 鶴町側乗り場入の待合室。昔ながらの待合室

 という感じで年季が入っていました。

◆乗り場行き方

>>大正区鶴町側

 地下鉄・JR環状線大正駅から大阪市営バス「鶴町4丁目」行き乗車。「鶴町1丁目」バス停下車。南へ徒歩約5分。

>>大正区船町側

 地下鉄・JR環状線大正駅から大阪市営バス70、70A系統「西船町」行き乗車。終点の「西船町」バス停下車。北へ徒歩約4分。

乗船日:2005年4月17日

自転車(MTB)にて乗船。

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木津川渡船(きづがわとせん)

起点:大正区船町1丁目→終点:住之江区平林北1丁目/管理・運営:大阪市港湾局管理部作業課

◆概要

 木津川河口にある渡船です。新木津川大橋の真下を進んでいます。岸壁間は238mとなっています。平成13年度現在、1日平均約150人の利用があります。

 1955年(昭30年)12月からカーフェリー(「松丸」134トン)が運航し、バイク・自動車・トラックを運んでいました。1973年(昭48年)に上流に千本松大橋が開通したことで役目を終え、翌74年(昭49年)からは人と自転車を運ぶ渡船となりました。住之江区側乗り場にはカーフェリー時代の名残が残っています。

 なお木津川渡船のみ大阪市港湾局管理となっています。(電話:06-6572-4101〜4)

◆乗船レポート【住之江区→大正区方向で乗船】

  南港通を西(南港)方面に進み、敷津運河を渡る柴谷橋西詰にある道を北に向かいます。道の行き止まりにあるのが木津川渡船住之江区側乗り場です。案内は見あたらず、ポツンと待合所があるだけです。一見すると公衆便所のように見えます。

 道路の真下にはカーフェリー時代の名残が残っています。昔の乗り場でしょう。昔はスロープか何かで道路とつながっていたのでしょう。改修工事でかさ上げしたため道路から階段以外では直接下りることは出来ません。

 待合所からスロープを下ると乗り場に着きます。すぐ近くというか上には木津川大橋が対岸を結んでいます。さて事務所は対岸の大正区側にありますが、木津川河口まで来ると238mもあるためか遠くに感じます。対岸から出発してもこちらに到着するまでに少し時間がかかります。

 やがて乗り場に到着。係員が下りて係留ロープで固定しますが、係員の制服の色が違います。この渡船のみ大阪市港湾局管理の渡船となっているためです。渡船の扉が自動扉となっているのも管理部署の違いからでしょうか。

 出発した渡船は大きく右に回りほぼ直線で対岸目指して進んで行きます。やがて大正区側乗り場に到着。右に回って船の左舷から桟橋につきました。木津川渡船は大きな楕円を描いているような感じで運航されているようです。少し長めで”渡船らしい”

渡船でした。

 大正区側乗り場入口は案内が少ないため少しわかりずらいです。目印となるのは木津川大橋北詰交差点。このすぐ西隣に乗り場へ向かう道が分岐しています。交差点角にある天然ガスのGSが目印です。『木津川渡船のりば』という看板が立っています。

 なお木津川渡船は、昼間は45分おきの運航となっているため、大阪港の渡船巡りで一番乗り継ぎにくい渡船です。休日と10〜3月の平日は18時台、4〜9月の平日でも19時で運航は終了します。渡船巡りされる方は注意して下さい。

 住之江区側乗り場。あるのは待合所と電話ボッ

 クスだけ。後ろの橋が新木津川大橋。

 住之江区側乗り場にはカーフェリー時代の名残

 りが残っています。浮いているのは桟橋。

 大正区側乗り場から渡船がやって来ます。

 距離が長いのでゆっくりと向かってきます。

 住之江区側乗り場に到着。利用客が下りて行

 きます。

 大正区側乗り場。スロープを下りると待合所が

 あり、浮き桟橋に渡船が係留されています。

 大正区側乗り場入口。歩道橋のスロープみたい

 のが乗り場への入口です。

◆乗り場行き方

>>大正区側

 地下鉄・JR環状線大正駅から大阪市営バス70系統、70A系統「西船町」行き乗車。「中船町」バス停下車。南へ徒歩約4分。

>>住之江区側

 地下鉄四つ橋線北加賀屋駅もしくは南港バスターミナルから大阪市営バス15系統乗車。または地下鉄四つ橋線住之江公園駅もしくはニュートラム平林駅から49A系統、49B系統乗車。「柴谷橋西詰」バス停下車。徒歩約10分。

乗船日:2005年4月17日

自転車(MTB)にて乗船。

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天保山渡船(てんぽうざんとせん)

起点:港区築港3丁目→終点:此花区桜島3丁目/管理・運営:大阪市建設局

◆概要

  港区築港3丁目と此花区桜島3丁目を結ぶ渡船で、安治川河口を渡っています。『天保山と桜島を結ぶ』と書いた方が分かりやすいでしょう。岸壁間の距離は400mと、大正区内の渡船も含めて大阪渡船の中では一番距離の長い渡船となっています。

 天保山渡船は1905年(明治38年)に開設されました。100年の歴史を有する渡船です。いろいろとルートは変遷しましたが、1925年(昭元年)に現在のルートなりました。

 桜島の工場地帯を結ぶ渡船ということで通勤用として利用が多い渡船でしたが、工場の相次ぐ移転・閉鎖などにより通勤客は減少していますが、天保山に海遊館(1990年

開業)、桜島にユニバーサルスタジオジャパン(USJ:2001年開業)などにより、両観光地を結ぶ観光渡船としての利用も増えているようです。USJ勤務の外国人の利用もあるようです。平成13年度では、1日平均約870人の利用があります。

 桜島渡船は、80人乗りの渡船を使用しており、一度に運べる人数が多いこともあって昼間は30分おきの運航となっています。

 安治川河口にあり、大阪湾に一番近い位置にあるだけあって、波があると揺れることがある渡船です。

◆乗船レポート【此花区→港区方向で乗船】

  JR桜島駅の西側、桜島3丁目にある月星商事の倉庫脇の道路を南に向かいます。道の行き止まりに天保山渡船乗り場があります。スロープを上ると対岸に天保山埠頭を始め、ハーバービレッジや大観覧車などが見え、遊覧船や高速艇が行き来している光景も見ることができます。

 乗り場の上流方向には阪神高速湾岸線・天保山大橋があり、その巨大な橋梁を見上げることが出来ます。対岸(港区)側の乗り場は大橋の真下、天保山公園の先端付近にあります。正面付近は天保山埠頭となっており、大型客船が停泊するためでしょう。事務所は港区側にあるので、こちら側には待合室しかありません。

乗り場入口すぐ近くに自動販売機と食堂があるのは、渡船の中では天保山渡船が唯一でしょう。

 天保山側から渡船が出発するのが見えます。距離が400mもあるとなかなか近寄ってきません。渡船は少し上流方向に上り左に回って斜めに進んできます。こちら側の浮き桟橋を少し下流側で大きく右に曲がり到着します。

 大きめの船なので乗船人数は余裕があります。乗客が途切れると出発。面舵を取って桟橋から離れ、南東に向かって斜めに進んで行きます。乗船したときはさほど揺れはしなかったのですが、河口近くで船も頻繁に行き来するため、波が大きいこともあるようです。

 大観覧車を見ながらゆっくりと進みます。やがて天保山に近づき左に緩やかに曲がり港区側の乗り場に到着しました。港区側の乗り場は天保山公園の北端付近にあります。事務所棟の1階が待合室になっていますが、此花区側に比べると狭いので、外にベンチが設けられていました。

 地下鉄大阪港駅から来た場合は、天保山埠頭の旅客ターミナル横の道路から入って行くことになります。

 此花区側乗り場。この堤防を越えた下に乗り場

 があります。

 スロープを下りると乗り場があります。左が待合

 室。奥の橋は天保山大橋。

 港区側乗り場から渡船が出発。河口に向かって

 下ってきます。

 桟橋より少し下流よりで右に曲がり桟橋に到着

 します。

 天保山方面に向かう船から大観覧車を撮影。

 こんな感じで回り込むようにして見えます。

 港区側の乗り場。事務所1階に待合室がありま

 す。通路反対側にはベンチがありました。

◆乗り場行き方

>>港区側(天保山側)

 地下鉄中央線大阪港駅下車。北へ徒歩約10分。

>>此花区側(桜島側)

 JR桜島線桜島駅下車。南西へ徒歩約12分。

乗船日:2005年4月17日

自転車(MTB)にて乗船。

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