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■北桟橋(2)

 「あたご」「はるな」の入港&接岸作業が一段落すると、北桟橋は落ち着きを取り戻します。興奮さめやらぬのは@管理人ぐらいでしょう。(;´Д`)

 接岸した両護衛艦からは非番の乗組員達が下りて来て官舎へと向かいます。半舷上陸ですかね? 制服を着た尉官・佐官級の方々も下船します。

 実は「あたご」と「はるな」には海将旗があがっていたので、翔鶴と共に「?」と疑問に思っていたのですが、制服士官さんに訪ねてみると、どちらがどの艦に乗っていたのかは忘れましたが、群司令と隊司令が座乗していたとか。平20年11月13〜19日に沖縄近海で海自の演習があったのですが、それに参加して帰港してきたところだったんでしょうかね?

 

 

 作業を終えて沖合で待機する曳船(YT)64号艇。曳船58号型の1艇で、昭和58年(1983年)9月に就役しています。58号型は現在22艇在籍する最多の曳船で、舞鶴始め各基地で姿を見ることが出来ます。

 この後、定係ポイントに向けて移動して行きました。艦艇の入港はないようです。

 

 

 「あたご」「はるな」から離れて東端に係留されていた「ひうち」を見に行きます。文庫山山頂から俯瞰で撮影した多用途支援艦「ひうち」を岸壁から撮影。

 「ひうち」は平成14年(2002年)3月に就役した「ひうち」型多用途支援艦の1番艦。呉地方隊に配属されて九州の佐伯基地に配備されていましたが、平20年2月に舞鶴地方隊に転属となりました。残念ながら一般公開はしていなかったので、外観だけの撮影です。

 以下、改めて北桟橋を東→西方向に移動。艦艇を撮影して行きます。(「あぶくま」は省略)

●護衛艦「はるな」(DDH141)

 

 

 海上自衛隊初のヘリコプター護衛艦として建造された「はるな」型護衛艦の1番艦。昭和48年(1973年)2月に就役しました。

2番艦が「ひえい」で昭和49年(1974年)11月に就役しています。ヘリコプターを3機搭載できる護衛艦で、ヘリ格納庫より艦尾の後部甲板はヘリ発着甲板っとなっています。ヘリの発着は1機のみとなっています。

 武装は建造当初から127mm54口径単装砲2基、アスロックSUM発射機1基、短魚雷発射管2基搭載。のちの近代化改修(FRAM)において、ヘリ格納庫上にシースパロー短SAM発射機、艦橋上の両舷側にCIWSを1基づつを搭載しました。

 127mm単装速射砲を背負い式に2基搭載した”軍艦”らしい艦で、2番艦「ひえい」や「しらね」型DDH共々、@管理人お気に入りの艦艇です。しかしながら、今年(平20年)で艦齢35歳という海自最古参の艦艇となり、ついに平成20年度末をもっての退役が予定されています。(ノД`)

 最新鋭型DDGの「あたご」型イージス艦と比べると、艦橋などの構造物外壁にやたらと突起が目立ちます。最近の艦艇はステルス性を考慮して、出来るだけ突起物をなくそうとしています。30年近い差があると、こういう設計思想でも違いが出るようです。あと30年もすれば、直角と面だけで構成された外観になるんじゃないかと・・・。

 写真左が艦橋右舷付近。短艇は下ろされています。その下に短魚雷発射管があります。外壁に見えるアンテナ線のような突起物は、翔鶴曰く掃除やペンキ塗りの際の”作業用足場”だそうです。

 写真右がタラップ。この姿を見るのもあと少し・・・。後ろに見えるヘリコプター格納庫外壁にぶら下がる米俵みたいな物は救命筏。

 

 

 岸壁から見た前部甲板付近。2基の127mm砲が背負い式に配置され、その後ろにアスロックSUM発射機があります。127mm砲は有人砲塔です。

 「はるな」型の代替艦はDDH「ひゅうが」型。その1番艦DDH181「ひゅうが」は平成21年(2009年)3月に就役予定。それによりDDH141「はるな」は退役する予定になっていますが、「ひゅうが」が舞鶴に配備されるのではなく、おそらく横須賀に配備される「ひゅうが」に押し出される形でDDH143「しらね」かDDH144「くらま」のどちらかがやってくることになると思います。舞鶴に全通甲板型DDHがやってくるのは、計画されている22DDHと24DDH の就役後となりそうです。

 こうして「はるな」を見ることが出来るのは、今回が最初で最後となりました。

●護衛艦「あたご」(DDG177)

 

 

 イージス護衛艦「あたご」型の1番艦として平成19年(2007年)3月に就役。2番艦は「あしがら」(DDG178)。イージス護衛艦「こんごう」型の発展型で、1機分のヘリコプター格納庫が設けられたのが特徴です。

 兵装として127mm62口径単装砲1基、CIWS2基、短魚雷発射管2基、Mk41VLSを2基(96セル)、90式SSM発射筒2基を搭載してます。いろいろあった艦ですが、ここでは省略します。

 それにしても右奥のタンカーが目立ちますね・・・。

 

 

 艦橋。中央の白いR2D2みたいなのが20ミリCIWS。その上の球体がUSC42衛星通信アンテナ。外壁についている六角形の物がSPY1Dフェーズド・アレイ・レーダー。艦橋の上に電子戦装置(ECM)や各種射撃指揮装置、水上レーダーやデータリングアンテナなどがあります。外壁の突起物が少ないのはステルス性を考慮したためです。

艦橋後部のSPY1レーダーの取り付け位置が、前方よりも高い位置にあり

ます。ヘリ格納庫による障害を避けるためだとか。煙突後ろの筒がSSM発

射筒。

中央部に短艇があります。その下に短魚雷発射管があります。側面から見

るとごちゃごちゃしていますが、艦首側から見ると艦橋に隠されて見えませ

ん。

接岸時に撮影。ヘリ格納庫を幅一杯まで設けてあるので、通路は内部にあ

るようです。タラップは中に収納。使用時は扉を開けるようです。

接岸後、タラップを 出した状態。ヘリ格納庫の外壁はすっきりとしていま

す。ペンキ塗りなどの作業時はどうするんでしょ?足場組むのでしょうか?

●ミサイル艇「はやぶさ」型

 

 

 日本海においては問題のあった全没型水中翼艇タイプの1号型ミサイル艇の後継艦艇として開発されたミサイル艇です。初期計画段階で、能登半島沖で北朝鮮の『スパイ工作船事件』が発生したことから大幅な設計変更が行われ、双胴型から単胴・滑走型船型にデザインが大幅に変わり、最高速力の増加(40→44ノット)、兵装の強化、識別能力と耐弾性の強化などが行われました。兵装として、ミサイル艇ながら76mm単装砲1基、90式SSM発射筒2基、12.7ミリ単装機銃2基を搭載。

 1番艇として「はやぶさ」(PG824)が平成14年(2002年)3月に就役。6隻建造されています。以前、舞鶴には3隻配備されていましたが、平成20年(2008年)6月、佐世保配備だった「くまたか」(PG827)と共に「わかたか」(PG825)が大湊地方隊(余市)に転属となり、今は「はやぶさ」(PG824)と「うみたか」(PG828)の2隻配置となっています。

 なお、「わかたか」「くまたか」の大湊地方隊配備により、1号型ミサイル艇2隻(1号艇と2号艇)は退役しています。

■北桟橋 おまけ

 ミサイル艇を見た後、補助艇群を見学。これで北桟橋を一往復したので、あとは売店でいろいろと購入し舞鶴基地撤収となりました。以下、自衛艦以外で見たものです。( ´∀`)

 

 

 対岸のユニバーサル造船所で建造中のタンカー。燃料と積荷を積んでいないので喫水線下が見えています。舵とスクリューが見えていますね。普段航行していると喫水線下は見えないので珍しい光景です。しかしでかい。

 

 

 陸上自衛隊でよく見かける73式小型トラック(旧型)。舞鶴の警務隊所属車のようです。パジェロベースの新型の配備が続いており、旧型はいずれはなくなるとのこと。軍用車輌っぽくていいんですけどね。

 ちなみに小型トラックの後ろに見えている駐輪場は乗組員用の駐輪場。各艦艇で置き場所が決まっていました。

 

 

 護衛艦「あまつかぜ」主錨。正門入ってすぐ横に置かれています。

 護衛艦「あまつかぜ」(DDG163)は、昭和40年(1965年)2月に就役した当時は海自唯一のミサイル搭載艦でした。平成7年(1995年)11月末に退役し除籍。その後は対艦ミサイルの標的艦となり、若狭湾沖で沈没しました。「あまつかぜ」のスクリューは横須賀基地に保存されています。

■海軍記念館

 舞鶴基地を出た後、正午前に市街地内で昼飯を食べます。昼からの予定である第23航空隊基地の見学は14時から。時間が余ってしまったので、舞鶴地方総監部内にある海軍記念館に寄りました。去年は敷地内をウロウロしていたら警務隊の方に注意されますた。( ´∀`)

 展示物は変わっておりませんが、旧海軍の伝統を伝える数々の展示物は貴重な品です。>>参考:去年のレポ

 

 

■第23航空隊基地

 舞鶴基地から少し離れた場所にあるのが第23航空隊基地。前の舞鶴航空基地で、舞鶴航空基地自体は平成13年(2001年)3月に運用開始となった、日本海側唯一の海自航空基地です。

 第23航空隊は、平成20年(2008年)3月の海上自衛隊の部隊改編により、それまで各々独立していた”舞鶴航空分遣隊””舞鶴整備補給分遣隊””舞鶴航空基地隊”を一本化して発足した航空隊です。舞鶴航空基地を拠点に活動しています。

 

 

 基地の一般公開は主に土日祝日の14〜15時のみとのこと。11月23日は公開されるので、海軍記念館を見学した後に早速訪れました。駐車場は正門前にあるのでそこに車を停めます。14時になったので入場。手続きを行い基地内に入りました。

 

 

 舞鶴航空基地の向かいにある輸送隊基地。駐車場からよく見えます。輸送艦「ゆら」型2番艦の「のと」(LSU4172)と水中処分母船(YDT)1号艇が係留していました。「ゆら」型輸送艦は海上自衛隊の”艦”とつく船の中では最も小さい艦となります。

 

 

 正門から入るとこんな感じ。正面の建物が管制塔でしょう。その右側、巨大な蒲鉾型の建物がヘリ格納庫(第一格納庫)。見えているのは裏口で、ヘリは反対側の正面から発着場に出ます。消火班の消防車も展示されており、耐火服を着たり、消火作業を体験出来たりします。ヽ(゚∀゚)ノ

 消防車輌は後回しにして格納庫に向かいます。格納庫内には5機ほどのSH60Jがありました。入るなり、翔鶴と「SH60Jだけなやな〜。K型ないやん」と話していたら、案内役の自衛官にマニアと思われたようです。確かに一般の方達よりは知識ありますけど、その程度ですよ。(;´Д`)

 

 

 SH60Jは平成元年(1988年)度から就役が始まった哨戒ヘリコプター。103号機まで生産され、うち71機が在籍(H19年時点)しています。

 いつもは護衛艦の一般公開時にヘリ甲板で展示されていますが、見学者が多くてゆっくりと見ることができませんが、ここでは見学者が少ないので、ゆっくりと見学できました。また機体内部への搭乗も可能(撮影禁止)で、自衛官の方(パイロット?)が丁寧に機器の説明もしてくれます。上写真は8269号機。

 

 

 格納庫内は広くウロウロできますが、係員の死角などに行くと注意されます。勝手にさわると危ない物が多いのです。SH60K

ですが、平成21年中には配備されるとか。今度訪れたときには見ることが出来るのでしょうか?

 上写真は8244号機。SH60Jよりも、後ろに停まっている電源車が気になってしまった@管理人と翔鶴。左から3台目、44号機の後ろに半分隠れているトラックが懐かしくて、近寄って騒いでいたら注意されますた。(;´Д`) ホント、なつかすぃ・・・。

 

 

 格納庫から出て消防車を見学。普段なら絶対に乗れない消防車に乗せてもらい、しかも放水の様子も見せてくれました。また防火服を着ることが出来ます。人が少なかったので、あまり話す機会のない消火班の方々ともあれこれ話しておりました。

 1時間という短い一般公開ですが、護衛艦などでの一般公開とは違ってゆっくりとSH60Jなどを見ることができます。お勧めです。ただ舞鶴基地から遠いので、車などの足がないと行くのがしんどいです。路線バスがありますが時刻はわかりませんです。

■舞鶴見学ツアー終了

 舞鶴航空基地見学を終えて本日の予定は終了。翔鶴運転の車で帰阪しました。今回は「あたご」「はるな」の入港〜接岸を見ることが出来たのが収穫です。なによりも退役間近の「はるな」の姿を見ることが出来たのが最大の収穫でした。個人的には”締め”を飾るにふさわしい内容だったかと。ヽ(゚∀゚)ノ

 「はるな」を見るのは今回が最初で最後・・・。平21年秋に来てもいないわけです。(´・ω・`) 代わりに配属されるDDHはどの艦なんでしょうかね?

 

 

 上写真は昼飯を食べに市街に向かう途中で文庫山に立ち寄り撮影した「はるな」。バックに「みょうこう」とドック入中の「ましゅう」が見えます。軍港らしい風景です。手前の空き地には何か建設されるような感じで整地されています。建物が建ったら文庫山から撮影するのは困難になりますな。何が建つのやら・・・。 

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