>>2009.03.08 Update

■文庫山から

 毎年3月下旬に大阪港か神戸港に入港する海自練習艦隊の見学で始まる”自衛隊ツアー”の最後が、秋頃に実施している舞鶴基地の見学となります。 平成20年(2008年)は(自衛隊ツアー的には)実に充実した年で、陸自の富士総合火力演習と海自の呉地方隊展示訓練を見に行くことができた年でした。その年を締めくくる舞鶴基地見学です。

 平20年(2008年)11月23日、職場の後輩・翔鶴瑞鶴(以下、翔鶴)の車で朝早くに大阪を車で出発。予想以上のペースで移動できたので、舞鶴基地に8時頃には到着できました。見学は9時からなので時間が余ってしまったので、基地外(電波じゃありません)から見てみることに。

 舞鶴体育館の駐車場に車を止めて徒歩で行動開始。東寄りには掃海艇「あわしま」(MSC670)が停泊。少し先に多用途支援艦「ひうち」(AMS4301)、対岸のユニバーサル造船所には艤装中の砕氷艦「しらせ」(AGB5003)と護衛艦「みょうこう」(DDG175)、ドック入りしている艦船の姿が見えます。

 もう少し良く見てみたいので、すぐ近くの文庫山に上がります。頂上には老人福祉センターがあります。建物にはなぜか監視塔みたいな展望台があります。展望台からでなくても山頂からだと舞鶴基地の東側、対岸のユニバーサル造船所が丸見えです。テログループには格好の攻撃場所であり、スパイには絶好の監視ポイントですな。呉の潜水艦桟橋近くにも10階建てくらいの建物が一棟ありましたけど、重要な軍事施設近くに監視ポイントを与えてどうすんのよと、小一時間・・・(以下略) 自治体や政府の多くの連中が、平和ボケで軍事的な思考が出来ない(すること自体がタブー視されている?)ようなので規制するのは無理だろね。┐(´д`)┌  ・・・考えすぎか。

 

 閑話休題。

 

 さて、舞鶴基地を文庫山の老人福祉センター駐車場から見てみます。

 

●掃海艇「あわしま」(MSC670)

 

 

 23艇建造された「はつしま」型掃海艇の22番艇。平成3年(1991年)、ペルシャ湾に派遣された掃海部隊の一員でした。この大きさで日本とペルシャ湾を往復したのです。18番艇「おぎしま」(MCL726)と23番艇「さくしま」(MCL727)は掃海管制艇に種別変更されたので、平21年(2009年)2月末現在で掃海艇として現役なのは「あわしま」だけとなります。(他の20艇は除籍・退役しました。)

●砕氷艦「しらせ」(AGB5003)

 

 

 ”南極観測船”というは一般的に知られた名称で、正式には”砕氷艦”といいます。

 「しらせ」は平20年(2008年)7月末で退役した砕氷艦「しらせ」(AGB5002)の後継艦。2代目「しらせ」の名を襲名し、3代目「しらせ」となります。平21年(2009年)5月頃の就役を目指して艤装中で、撮影した時は燃料が入れられていないので喫水線より下の部分が見えています。順調に行けば、平21年(2009年)秋には第51次南極観測隊の輸送が襲名後初の航海となる予定です。ちなみに「しらせ」の建造予算は文部科学省から出ています。

●護衛艦「みょうこう」(DDG175)

 

 

 ユニバーサル造船所で改修中だったイージス護衛艦「みょうこう」。「こんごう」型護衛艦の3番艦です。127ミリ単装速射砲の後ろと後部甲板のVLS(垂直発射システム)部分に白テントが建てられて作業をしているようなので、SM−3への改修工事中なんでしょうかね?

●補給艦「ましゅう」(AOE425)

 

 

 ユニバーサル造船所のドックに入っていたのが補給艦「ましゅう」。海上自衛隊の艦船の中では最大の艦で、基準排水量は13500tとなっています。定期的な整備なのでしょうか?

 ちなみに平20年(2008年)4月20日〜9月4日まで、インド洋での対テロ支援活動に派遣されていました。

●多用途支援艦「ひうち」(AMS4301)

 

 

 北吸桟橋の東端にいたのが多用途支援艦「ひうち」。訓練支援、離島への物資輸送、機関故障した艦艇の曳航など、多用途の任務を有する艦種です。「ひうち」は1番艦でネームシップとなります。以前は呉 地方隊にいましたが、平20年2月に舞鶴に転属となっています。

 「ひうち」型はこう見えても機関出力は5000馬力もあるそうで、「ましゅう」型輸送艦を一隻で曳航できる能力があるそうです。

 以上が文庫山から見た、朝の舞鶴基地ですた。この後、駐車場に戻り車に乗って舞鶴基地に向かいます。

■北吸桟橋(1)

 門から基地内に入り車を止め、手続きをして桟橋に向かいます。文庫山から見て分かっていたので覚悟はしていましたが、北吸桟橋はガラガラ・・・。(´・ω・`) 支援船を除いて、停泊していたのは3隻の護衛艦とミサイル艇だけで、他艦艇は出港していました。

 

 

 岸壁側(左)から護衛艦「あぶくま」(DE229)、護衛艦「はまゆき」(DD126)、護衛艦「みねゆき」(DD124)。「みねゆき」の艦首付近では乗組員がペンキ塗りをしています。祝日なのにご苦労様です。

 この日(11月23日)は艦艇の一般公開も行われており、甲板上であれば乗艦・見学できました。一般公開されていたのは「あぶくま」だけで、残る2隻は実施されていませんでした。DEクラスは沿岸警備用の護衛艦。DEクラスは3タイプ計20隻建造されましたが、今も現役で残るのは「ゆうばり」型2隻と「あぶくま」型6隻の計8隻。 DEクラスは艦艇削減のあおりを喰らって消える可能性のある艦種かと。なのでDEクラスの護衛艦の見学も貴重なものとなります。

●護衛艦「あぶくま」(DE229)

 

 

 護衛艦「あぶくま」は「あぶくま」型護衛艦の1番艦として平元年(1989年)12月に就役したネームシップです。地方隊の主力護衛艦として計画され、「ゆうばり」型護衛艦の能力向上型として建造。対潜水艦・対空能力を強化しており、アスロックとハープーンミサイルを搭載しています。対空ミサイルとヘリコプターの装備がないだけで、兵装的には「はつゆき」型に匹敵しています。

 「あぶくま」型が6隻が建造され、全艦が現役として活躍中です。

後部甲板に高性能20mm機関砲(CIWS)が搭載。ヘリコプターの発着ス

ペースはありませんが、ヘリを使用した補給に対応できるスペースを有しま

す。

ハープーンSSM発射筒。海自護衛艦の標準装備。「あぶくま」型は後部煙

突の後ろ(艦尾寄り)に配置されています。後ろのヘリ格納庫は「はまゆき」

の格納庫です。

HOS−301短魚雷発射管。左舷と右舷に各1基づつ搭載。発射管の前に

ある鉄板はなんのためにあるんでしょうかね?

煙突間にあるアスロックSUM8連装発射機。煙突間にあるので前に発射で

きないという欠点を有します。またミサイルの補給もできまへん・・・。

 前部甲板には76mm速射砲が配置していますが、速射砲の後ろには空きスペースがあります。ここには対空ミサイル発射機が搭載される計画となっていますが、いまだ実現に至っていません。たぶん搭載されないまま退役するんじゃないかと・・・。

 下写真は艦尾から撮影。ヘリ格納庫がないのですっきりしてます。後部甲板にCIWSがポツンと立っています。

 

 

■帰ってきた護衛艦(1)

 「あぶくま」甲板上でもペンキの塗り替え作業が行われていましたので、邪魔にならないように見学。「はつゆき」「みねゆき」とも一般公開はしていなかったので、甲板上を一巡して「あぶくま」を下りました。

 あとはミサイル艇だけかと翔鶴と話していたら、支援船(曳船)が2隻動きだしました。

 

 

 

艦艇が入港してくる!(・∀・)

 

 すぐにピンときました。そういや岸壁にいた自衛官が「何かが帰ってきますよ」と話していたっけ。

何が帰ってくるのだろうとしばらく待つことにします。

 曳船は沖合で待機。10分ぐらいすると、何やら艦艇がやってきました。

やたらと角張った艦橋、そして特徴のあるフェーズド・アレイ・レーダー・・・。

 

すぐにイージス艦であることが分かります。

 

イージス艦の入港です。(・∀・)イイ!!

 

「みょうこう」は向かいのユニバーサル造船所にいるので、別のイージス艦となります。

なんだろ?

「こんごう」?「きりしま」??

 

艦番号を見ると

177

Σ(゚Д゚  )マジッ!?

 

 

 

 

「あたご」 

 

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

 

 

書きませんけど、いろいろあった護衛艦です。

 

潜望鏡を持つ不思議な鯨(某国主張)を見つけたのも「あたご」でしたよね。

 

見張りを厳重にして入港してきました。

 

 

 

 

真正面から。

航行しているイージス艦、それも真正面から見るのは初めてですわ。

 

 

 

 

「あたご」の左舷側。

曳船に押されて回頭中で、ゆっくりと回っています。

 

後部にヘリコプター格納庫が設けられたのが、「こんごう」型との大きな違い。

 

 

 

 

ぐるりと回った「あたご」の右舷側。

艦尾付近は「みょうこう」と重なってしまい、分かりずらいです。

 

この後、艦首を東に向けて右舷側から接岸しました。

「あたご」の入港から接岸までを見ることが出来たわけです。

 

■帰ってきた護衛艦(2)

 

実はもう一隻帰ってきていました。

 

「あたご」が回頭している最中に見えていたのです。

 

これも護衛艦。

 

背負い式の砲塔配置にヘリ甲板。

 

艦番号は

141

Σ(゚Д゚ ;) マジ!?

 

 

 

 

「はるな」

 

キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━!!!!

 

 

昭和48年(1973年)2月に就役した海上自衛隊最古参の護衛艦です。

平成20年度(2008年度)末でいよいよ退役します。

 

甲板上に見張り員を配置しての入港です。

 

 

 

 

正面から。

背負い式の127mm砲が”軍艦”らしいです。

 

マストが中央から左舷側にずれているんですね。

 

 

 

 

左舷側。

ヘリ格納庫横にぶら下がっているのは救命筏です。

 

 

 

 

回頭中の「はるな」。

ゆっくりと回っています。

 

127mm単装速射砲と艦橋の間にあるのはアスロックSUM発射装置。

 

艦尾の後ろに「しらせ」が見えます。

 

 

 

 

右舷後方から。

ヘリ格納庫上にシースパローSAM発射機があります。

 

「はるな」型DDH護衛艦の後部甲板はヘリ発着甲板となっています。

ヘリの発着は1機だけですが、格納庫内には3機格納できます。

 

 

 

 

接岸した「あたご」と岸壁に向かう「はるな」。

 

海自最古参の護衛艦と最新型の護衛艦。

 

このツーショットを見ることが出来るのはあと少しだけ。

 

来年には見ることが出来ないんだろうなぁ・・・ (´・ω・`)

 

>>その【2】に続く