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平成19年度海上自衛隊呉地方隊展示訓練(その3)

●展示訓練(LCAC)

■(1335)

展示訓練も終わりに近づいたとか。

艦艇の展示などもなさそうなので、一旦艦内に引き上げます。

 

10分後、艦内アナウンスにて、LCACによるレインダンスが行われるとのこと。

 

急いで上甲板に上がりました。

 

すると・・・

 

 

 

 

『くにさき』左舷に水飛沫の固まりが。

 

何かが大きな音を立てて回転しています。

 

 

 

 

中から現れたのはLCAC

 

ホバークラフトなのでできる芸当です。

 

『くるくるLCAC』ですな。(;´∀`)

 

 

 

 

『ひえい』の前を高速航行するときに同じことをしていると思うので、

 

『くにさき』前にてもう一度の披露ということでしょう。

 

■(1343)

 LCAC収容・発進。

 『くにさき』乗艦組だけが見ることができた特典でした。航行中の『くにさき』艦内から見たLCAC収容風景です。

 LCACは自走(?)して収容されます。曳航用のワイヤーやロープなどで引っ張っているのではありません。『くにさき』の速度が何ノットかは忘れましたが、当然のことながらLCACは”+α”の速度で航行してきてウエルドックに乗り上げる(?)ことになります。ドック内に入ってからプロペラを回したまま所定の位置まで進んで行きます。

 車の車庫入れのように、操縦士が窓から顔を出して前後を確認しながら出入りするなんでことはありませんでした。(;´∀`) 指揮所があるようで、そこから指示・誘導されているようです。それにしても寸法ギリギリのドック内に、しかも航行している輸送艦に、LCACをぶつけることなく出入りするとは恐れ入ります。

 

 

 

『くにさき』艦尾のウエルドック門扉が全開され、LCACがやってきました。

 

慎重に進入コースを選択。速度を上げて接近してきます。

 

 

 

 

あっという間に接近して、門扉に乗り上げてウエルドック内に入ってきました。

 

ドック内の壁にLCACをぶつけることも擦ることもなく、余裕を持って収容されました。

 

近くで見ると迫力満点です。ヽ(゚∀゚)ノ

 

この後、再度発進。

 

もう1艇(LCAC6号艇?)が収容される途中で扉が閉められ終了となりました。

 

 

 

中止や変更がありましたが、これにて展示訓練全てのプログラムが終了しました。

 

 

●『くにさき』の展示(午後の部)

■1400〜

 展示訓練も終わり、あとは大阪港に戻るだけです。復路においても、『くにさき』艦内では様々なイベントが行われていました。

 

 

 

ロープワーク教室

 

海自官による飾り結びの講習会。

お子さんに大人気の教室でした。

 

(この後約30分間、近くの椅子に座ったまま爆睡していたので写真はありません。)

 

■15:00〜

 OBA装着展示・体験。

 

 

 OBAとは、防火服と共に身につける循環式の非常用呼吸器です。写真の銀色の服が防火服で、黒いのがOBAのようです。

ボンベ式に比べると軽くて取り扱いしやすい利点があるのですが、軽い取り扱いを間違えると爆発する恐れのある”諸刃の剣”だそうで。消化班班員による防火服とOBA装着を実演。その後、希望者にのみ防火服を着ることができました。

 車両甲板の他の場所では、無電地電話の体験通話も行われていました。

●大阪港入港

■(1505)

 ブラブラしながら上甲板に移動します。『くにさき』は大阪港目指して航行中です。周囲にあれだけたくさん居た他の護衛艦の姿はどこにも見あたりません。

 

 

 ほとんどの方は艦内に入ってしまいましたので、上甲板も人影少なく閑散としています。ですが、警備や案内役の自衛官さん達は所定の位置に立ち続けておりました。ご苦労様です。

■(1520〜)

 行くところがないので艦橋にいることにし、邪魔にならないよう端の方で立っていました。

 大阪港が近づくにつれて、周囲の艦船にかなり注意をするようになっていきます。艦長さんも双眼鏡で絶えず確認しています。

なんせ釣り船などの小型艦船が多いですからね。何かあったら一大事です。船首には見張り員も立っていたようです。

 

 

 他艦からの無線も時々入ってきます。各艦、出発港に近づきつつあるようです。ボードを見ると、津名港出港の『ひうち』『つきしま』、神戸出港の『まつゆき』が接岸したようで、艦名に斜線が引いてありました。

 ちなみに今回の展示訓練での乗艦時間が最も短いのは津名港組の約3時間半。最も長いのは『くにさき』の約8時間10分でした。あとは5時間半〜7時間ぐらい。(パンフレットによる。プログラムが変更されたので時間は短くなっています。) 『くにさき』は参加艦艇で一番早く出港し、一番遅く帰港となっていました。受閲艦隊にいたこと、単独航行があったことからそうなったのでしょうか。

■(1545)

 

 

 大阪港到着。すでに天保山埠頭には『ひえい』以下3隻の護衛艦が接岸しています。

 

『やまぎり』が曳船に押され、『あさぎり』に向かって移動している最中でした。

 

天保山の大観覧車と護衛艦。

平和がいかにして維持されているのかがよく分かる光景です。

 

ちなみに天保山は、『日本帝国海軍連合艦隊発祥の地』であったりします。

 

 

 

 

海上保安庁の巡視船と水上警察の船が、『くにさき』の周囲を厳重に警備していました。

 

いつ、どこから工作船や不審船が現れるか分かりません。

 

 

 

 

大阪港の遊覧船『サンタマリア』号と曳船に挟まれた巡視船。

 

『サンタマリア』号では、『くにさき』に携帯を向けて撮影している乗客が目立ちました。

そりゃ珍しいですからねぇ。

 

 

 

 

『やまぎり』の接岸作業を終え、『くにさき』に移動してきた曳船。

 

これから中央突堤への接岸作業が始まります。

 

■(1600)頃

 大阪港中央突堤に無事接岸。

 

人力による係留作業が行われます。

 

 

 

 

右舷のサイドランプが下ろされました。

 

全ての接岸作業終了です。

 

■(1619)

 

 

 

艦内アナウンスが流れ、自衛官の誘導に従って下船。

 

16時19分、中央埠頭に戻ってきました。

 

朝の受付時にもらったホルダーを返却。

 

 

 

 

これにて『くにさき』乗艦ならびに『展示訓練』参観は終了しました。

 

お世話になりました〜。m(_ _)m

 

 

●天保山埠頭

■渡船に乗って

 『くにさき』を下船後、@嫁は先に帰宅。@管理人は一人で天保山方面に向かいます。『くにさき』の全景を撮影したいのと天保山埠頭に停泊する艦艇の写真を撮影したかったからです。

 夏休みの日曜日ということもあり、海遊館周辺は家族連れで大混雑しています。人混みをかき分け進みます。天保山公園近くまで来ると閑散としてきました。フェンス越しに『うみぎり』が見えますが、撮影するには不向きな場所です。

 そのまま歩いて行き辿り着いたのは天保山渡船乗り場。天保山と対岸の桜島を結ぶ大阪市営の渡船です。この渡船に乗ると、天保山埠頭に停泊する艦船を海上から撮影することができるのです。

 乗り場で待つこと約10分。渡船に乗り込み出発。すぐに巨大な護衛艦の姿を見ることができます。

 

 

 

 

渡船上から撮影。

 

ちょうどDDH142『ひえい』が出港のために曳船に曳かれているところでした。

早くも出港のようです。

呉に帰るのか阪神基地や他港に向かうのかは分かりません。

 

手前左がDD158『うみぎり』 

奥の2隻は左がTV3516『あさぎり』で、右がTV3515『やまぎり』です。

 

乗艦していた一般人はすべて下船しているので、乗っているのは本来の乗組員だけです。

 

 

 

 

曳船によって回頭中のDDH142『ひえい』。

 

艦首に127mm単装砲2砲とアスロックSUM発射機が見えます。

 

甲板の左舷に乗組員が整列し、『うみぎり』に対して敬礼していました。

 

 

 

少し離れたところで回頭中。

 

『はるな』型DDHの代艦として、2007年(平19年)8月中旬に13500級DDHが進水しました。

 

DDH『ひゅうが』と名付けられ、2009年(平21年)に竣工予定です。

 

『はるな』型2番艦であるDDH『ひえい』も、この『ひゅうが』型2番艦で置き換えられる予定。

 

2番艦は2011年(平23年)竣工予定なので、

 

『ひえい』の勇姿を見ることができるのは、あと4〜5年ぐらいです。

 

 

 

 

回頭を終えて港外に向かう『ひえい』。

 

大阪港や大阪湾で、その姿を見る機会はあるのでしょうか?

退役までに一度乗ってみたいですね。

 

向こうに『くにさき』の姿が見えます。

 

 

 

 

天保山渡船桜島側乗り場から撮影した、DD158『うみぎり』と巨大観覧車。

 

ほぼ真横から見ているので、艦型がよく分かります。

 

 

 

 

TV3515『やまぎり』(手前)とTV3516『あさぎり』(奥)

 

『あさぎり』型護衛艦3隻が天保山埠頭で一泊しています。

 

 

 

 

再び渡船から撮影。

 

かつての護衛艦隊の花形艦であった『あさぎり』型3隻が並んでいます。

 

夜間電飾に向けた準備が進められていました。

 

この後、大阪港駅まで歩き地下鉄に乗って帰宅。

帰宅後、一眠りしたら夜間電飾を撮影しに来るつもりでしたが、

起きたら動けず断念しました・・・。(;´∀`)

 

なので夜間電飾の写真はありません。

m(_ _)m

 

これにて艦艇の写真は終わりです。

 

◆感想のようなもの

 今回の展示訓練は、台風の影響により4日(土)が中止となり、5日(日)も航空機の展示もほとんどが取りやめになるなど、波乱含みの展示訓練となりました。何度も参加している方は物足りないと感じたでしょうが、@管理人にとっては、初めての展示訓練ということもあって見る物全てが新鮮で、お腹一杯でした。4日組の方々には申し訳ないのですが、十二分に楽しんで来ました。

 今回は輸送艦『くにさき』に乗艦したわけですが、初めてにして”当たり”でした。理由はただ1つ。”広い”からです。他艦を見ていると甲板一杯にあふれんばかりに人がいたわけですが、広大な甲板を持つ『くにさき』ではそういうことは起こらず、かなり余裕を持って見ることができました。ホルダーの番号を見る限り、330名は乗艦していたはずなのですが、それだけ乗艦しているとは思えないぐらいに、適度にばらけていました。

 無料のお茶と海軍カレー(有料)の提供、ジュース類の自販機開放なども『くにさき』のみのサービスだったらしく、窮屈な思いもせずに楽しむことができたのは、ほんとツイていたと思います。

 また艦内の案内役などの自衛官さん達の対応も良く、「乗艦中は退屈させないぞ」という意気込みが感じられました。どこぞの公務員も見習ってもらいたいもんです。楽しめたのは、こうした自衛官さん達のおかげでもあるんですな。ほんと、ありがとう。

 

 

 

大阪港に帰港した『くにさき』

 

 さて展示訓練ですが、素人目に見ても海上自衛隊の繰艦術は凄いということですかね。他国海軍のは見たことがないので、偉そうに言えませんけど。

 ミリタリーに詳しい後輩曰く、「観艦式で観閲部隊(艦艇)と受閲部隊(艦艇)の両方を航行させるのは、繰艦技術が高くないと無理」だそうで。たいていは観閲側の艦艇が動かずにおり、その前を受閲側の艦艇が通過するそうです。と、いうことはやはり繰艦レベルは高いということですな。

 航空機の展示訓練については、相手が自然であるから仕方ありません。聞くところでは、大阪湾は伊丹・関空・神戸と3空港があってP3Cなどの大型機を飛ばすのは難しいそうです。今後、民間機が増えればますます飛びづらくなるとか。何年か先の大阪湾で行われるであろう展示訓練では、大型機の飛行はなくなるかも知れないというのがもっぱらの噂です。

 来年は豊後水道か瀬戸内海か。大阪湾は3〜4年後のことでしょうから、またそのときにも応募します。そのときには航空機の展示訓練を見てみたいものです。

 展示訓練には旧海軍関係者の方々が数多く招待されておりました。みなさん、懐かしそうに見ていました。そのうちの1名の方と話す機会がありました。戦争体験談も少しだけ伺いました。なるほど。この世代の方々が戦って下さったからこそ、今の平和な日本があるわけです。散華された方々の犠牲で成り立っていることを忘れてはなりませんな。

 そして今も平和が維持されているのも、1つに海自を始めとする自衛隊のおかげであることをお忘れ無きように・・・。

【終わり】

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