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■護衛艦『はまゆき』 (DD126)

 護衛艦『はまゆき』は、1983年(昭58年)11月に竣工した護衛艦『はつゆき』型の5番艦。

 『はつゆき』型護衛艦は、ヘリコプター3機を搭載する護衛艦(DDH)1隻、ミサイル護衛艦(DDG)2隻、汎用護衛艦(DD)5隻からなる護衛隊群を4個群整備する、いわゆる『八八艦隊』構想のもとで12隻建造された。『はつゆき』型護衛艦は護衛艦の中でハープーン対艦ミサイルを初めて搭載した艦ともなり、また機関にオールガスタービン推進方式(COGOG方式)を採用した初めての護衛艦ともなった。

 『はつゆき』型護衛艦は1982年〜87年までの5年間に12隻が建造された。就役後は横須賀や呉などの護衛艦隊に配備されたが新世代の護衛艦が就役したことで、『はまゆき』など一部艦艇は地方隊に転属。12番艦『しまゆき』は練習艦に種別変更されている。『はつゆき』型も建造から1番艦で25年近く経過していることから、『はつゆき』型護衛艦も近々退役することになる。

●『はまゆき』Data

>>基準排水量:2950t/満載排水量:3800t
>>主要寸法:全長130.0m/幅13.6m/深さ8.5m
>>エンジン:ガスタービン4基2軸 出力:45000PS
>>速力:約30kt
>>乗員:約200名
>>主要装備

 62口径76mm単装速射砲×1 高性能20mm多銃身機関砲(CIWS)×2 アスロックSAM8連装発射機×1 短SAMシースパロー8連装発射機×1

 ハープーンSSM4連装発射機×2 3連装短魚雷発射管×2
>>哨戒ヘリコプター 1機搭載

>>竣工:1983年(昭58年)11月18日/建造:三井玉野/所属:舞鶴地方隊第24護衛隊/母港:舞鶴

『はまゆき』一般公開

2005年(平17年)11月27日(日)

 2005年(平17年)最後となる海上自衛隊阪神基地での艦艇一般公開は、なんと護衛艦『はまゆき』。@管理人にとっては初めての護衛艦乗艦となります。一般公開参加はまだ3回目なのだから、”初めて”なのは当たり前か。(;´∀`)

 日曜日ということもあって、かなりの人出も予想されましたが、とにかく行かなければということで阪神基地に向かいます。今回は@管理人と管理人の@嫁、そして職場の後輩である翔鶴瑞鶴の3名での参加となりました。

 9時少し前に阪神基地に到着。一般公開は9時からなので、すでに20名くらいの人がおりました。翔鶴瑞鶴はまだ来ないので、先に撮影を開始。

 『はまゆき』は阪神基地の南岸壁に接岸していました。初めて間近で見る護衛艦です。後部にはSH60の姿が。ヽ(゚∀゚)ノ 基地のテニスコートから撮影すると、どうしてもこんな写真になってしま

います。おまけに太陽の位置が位置なので逆光気味・・・。撮影は難しいデス。9時過ぎに翔鶴瑞鶴が到着し合流。さっそく艦へと向かいました。

 さて、護衛艦『はまゆき』の所属は舞鶴。わざわざ舞鶴から一般公開のために回航されてきた

のではありません。あとで乗組員に尋ねたところ、潮流の早い海域や船舶通行量の多い海域を航行する訓練のために関門海峡経由で瀬戸内海に入り訓練。その後、燃料補給と休憩のために阪神基地にやって来たと のこと。また瀬戸内海を西に向かい、関門海峡経由で日本海に抜けて舞鶴に帰るそうです。

■外観

 まずは岸壁から艦を見ます。ファインダーに船首から入るように撮影したかったのですが、そうしようとすれば立入禁止区域に入らねばならなかったので無理でした。なので中途半端な位置からの撮影となります。

 さて岸壁から見ると艦橋の前に76mm速射砲とアスロック発射機の姿が見えます。艦橋横に見える白い筒みたいなのはレーダーとかCIWSなどなど。『うらが』や『おおすみ』とは違い、武装は充実(?)しています。戦闘艦たる護衛艦なので当たり前ですね。

中途半端な位置からですが、右舷を撮影。

76mm速射砲とアスロックなどが見えます。

艦の中央付近。逆光で暗くなっていますが、魚雷

発射管などがあります。

船首にあった艦籍番号。『はまゆき』は126。

数字の書体は旧海軍のモノなんですかね?

■艦首甲板

 いよいよ乗艦です。荷物検査を終えてパンフをもらってから乗艦となります。タラップを上がると海上自衛官の方々が敬礼して出迎えてくれました。(`・ω・´)>

 右舷甲板を歩いて船首へと向かいます。まず目についたのが短魚雷発射管。3連装の魚雷発射管です。魚雷で敵艦を撃沈するというのは昔の話。今の魚雷は対潜水艦用に装備されています。岸壁から見ると、魚雷発射管の上にはSSM(ハープーン対艦ミサイル)があります。このSSMが海上艦艇を攻撃する際に使用されるようになっています。

 下からSSMを見上げてから艦首方向に移動。艦橋横を通り過ぎると艦首甲板に出ました。ここには護衛艦の主砲(?)とも言える76mm単装速射砲と、アスロック8連装発射機があります。 このアスロックも対潜水艦用の兵装です。さすがは護衛艦。装備が充実しています。

 艦首には謎のマンホールのようなものがありました。中をのぞき込むと梯子があって艦内に下りることができます。今は空気入れ替えのために開いているだけで、入ることができません。近くにいた自衛官に尋ねると、時々下(艦内)をパンツ一丁でウロウロしている姿を見ることもあるそうな。さすがに今日は一般公開なので、そのような人はいないようです。

右舷にかけてあるタラップから乗船します。自衛

官が待機しており敬礼してくれました。

下が魚雷発射管で、上の斜めの筒がSSM(艦

対艦ミサイル)。

吊り下げられている内火艇。万が一の場合に使

用されたりします。

62口径76mm速射砲。斜め後ろから撮影。

正面からの撮影は失敗しました。(;´∀`)

アスロック8連装発射機。魚雷をロケット発射しま

す。

艦首甲板にあった艦内への入口。急角度の梯子

で下りて行きます。

■後部甲板

 左舷甲板を歩いて後部へ移動します。左舷も右舷と同じく魚雷発射管とSSMがありました。ヘリコプター甲板の下を通り抜けると(第2)後部甲板に着きます。もう一段低い(第1)後部甲板に下りて日章旗を撮影。(`・ω・´) その後、(第2)後部甲板に戻ります。

 (第2)後部甲板には短SAM8連装発射機(SeaSparrow)があります。これは艦対空ミサイルで、艦の防空任務を担っています。8連装発射機のうち1つに展示用ミサイルが装備されて公開されいました。近くにいた若いね〜ちゃんが「細長い鉛筆のようやね〜」と言っておりました。(;´∀`) 例えとしてはそれで十分でしょう。

 ちなみにSAMのミサイルですが、近くにいた自衛官に尋ねると人力でセットするそうです。ホンマかいな?(゚Д゚  )

岸壁から後部甲板を撮影。低いのが第1で、SA

Mがあるのが第2後部甲板だそうです。

旧海軍から受け継ぐ日章旗。艦名の字体も旧海

軍から継承しています。朝●の社旗じゃないよ。

SAM発射機にはこんな感じでミサイルが入るのでしょう。もちろんレプリカです。

■ヘリコプター甲板(というよりSH60J)

 (第2)後部甲板から一段上のヘリコプター甲板に上がります。そこにはSH60J対潜ヘリが展示されています。今回注目の展示物でしょう。『はまゆき』に搭載されるヘリは舞鶴航空隊の所属。今回の一般公開のために飛来してきたのか、訓練の為に搭載されていたのかは忘れました。(^^;)

 今回は大サービスのようで、なんと操縦席に座らせてもらうことが出来ました。なのでヘリの前には行列が・・・。2〜3名の乗員の方が対応に追われておりました。ヘリの操縦席に座ることが出来るのは早々滅多に体験出来るものではありません。なので私ら3人も並んで座りました。これが意外と狭い。いろんな機器があるからそう感じるのでしょうか。リクライニングシートではないようなので、操縦士の方はさぞや足腰が痛くなるのではないでしょうか。

 またあれだけ大きなガラスなのに、操縦席からの視界はかなり狭く、下方向の視界はほとんどありません。操縦士の方も着艦する時が一番気を遣うと話しておりました。ちなみに下降するときは、車のバックのときのように扉を開けて下をのぞき込みながら操縦するそうで・・・ヘ(^^ヘ)☆\(- -)<ウソカクナ

 ちなみに『SH60対潜水艦ヘリコプター』と書かれた説明板を見た@嫁が一言。

 

「このヘリコプター、潜るの?」

 

・・・(゚д゚)ハァ?

 

 対潜水艦ということで、海に潜って潜水艦を攻撃すると思ったようです。水鳥とちゃいますがな。(;´∀`)

SH60J対潜ヘリ。実機を間近で見るのは初めて

です。

操縦席に座らせてもらいました。機体下部にはい

ろんな観測機器がついています。

日の丸の右にあるのは小さな窓です。ローターも

でかい。

ヘリ格納庫。建て売り分譲住宅並みの大きさが

あります。

ヘリ着艦のための管制室。風を防ぐためにガラス

張りです。当たり前ですが。

下降するヘリの風はものすごいそうです。なので

甲板の下に通路が設けられています。

■艦橋

 最後は艦橋に向かいます。狭くて急な階段を上って艦橋へ。『うらが』や『おおすみ』と比べると狭く、細長い艦橋です。艦種が違うこともあるのでしょう。『機密の殿堂』であるCICなどは公開されておりませんでした。

 いろいろな海図や(日本の)法令集などに混じって『ジェーン年鑑』がありました。怪しい船はこれで正体を調べるのでしょう。でも2001〜2002年版ですがな。(;´∀`)

中央の丸いハンドルが操舵機。他にもいろんな機

器がありました。

伝令管も健在。やはりこれがないとね。どこから

来ているのでしょう?機関室かな?

艦橋にあった『男の修行』。旧海軍の司令長官、

山本五十六作です。

艦橋から艦首を見ます。コンテナのようなのが

アスロック。

マストにはレーダー他、いろんな機器が。右下の

R2D2見たいなのはCIWS(20mm機関砲)。

さりげなく置かれていた『ジェーン年鑑』。ちと古い

ですね。

■がんばれ!自衛官。

 一通り艦橋をウロウロしてから、再び狭くて急な階段を下って甲板へ戻ります。これで一般公開のルートは終わり。そのままタラップを渡って岸壁に戻ります。これで一般公開は終わりです。時間を見ると2時間ほど経っていました。あっという間でした。

 さて、@管理人にとっては3回目となる艦艇一般公開で、初めて護衛艦に乗ることができました。一般公開では何人かの現役海上自衛官と話す機会があります。

 ヘリの乗員さんともいろいろ話しました。中国海軍の漢級原子力潜水艦による我が国の領海侵犯事件(2004年11月)については、我々以上に怒っておられました。対潜水艦の最前線にいる方々ですから、海自隊員の中でも一際敏感だと思います。あの事件での日本政府の対応にも歯がゆい思いをしましたけどね。┐(´ー`)┌

 話していると皆さん、『国』と『国民』を守ることに誇りを抱いておられるようです。甲板で話した通信士さんはなんと19歳。がんばって欲しいモノです。

 そうそう、インド洋における海自の燃料補給活動ですが、あの予算は海自の予算から出ており

主に人件費(要は隊員の給料)などを削って捻出しているそうな。とある海自隊員の方は嘆いておられました。同時多発テロはいろんなところに影響を及ぼしておりますな。

 それにもめげずにがんばっている自衛官に感謝!

【写真】購入した『はまゆき』ストラップと日の丸&日章旗バッジ。

【終わり】

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