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>>2008.08.31 Update |
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>>陸上自衛隊TOP |
◆富士火器総合演習 富士火器総合演習(以下”総火演”と記します)は富士の裾野にある陸上自衛隊東富士演習地で行われる演習です。陸上自衛隊富士学校等の学生に対して、普通科・野戦特科・機甲科の火力戦闘様相を認識させるとともに、国民の自衛隊に対する理解と認識を深めることを目的に、1961年(昭36年)度から開始され、1966年(昭和41年)度から一般公開しています。2008年(平20年)度で50回目を迎えます。 |
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毎年7月頃から約1ヶ月かけて準備が行われ、8月下旬頃に開催されます。演習は富士学校主催の一般非公開の演習と、陸上幕僚監部主催の一般公開演習があ ります。 一般非公開演習では夜間演習なども行われますが、非公開演習は陸自に関係者やコネがないと一般人は見ることができません。なので一般人は公開演習でないと演習を見ることができないのですが、誰でも行けば見ることができるのではなく、観覧は抽選で選ばれた人と同行者(最大3名)だけとなっています。 毎年の観覧申し込み倍率は毎年25〜30倍(2008年の駐車場券付きでは最大84倍)という高倍率で、当選券を確保するのはかなり困難なイベントとなっています。 今年、あめふらし@管理人も応募しましたが見事落選。(´・ω・`)ショボーン ところが後輩の翔鶴瑞鶴が当選券を見事にゲット。(・∀・)イイ!! 総火演を観覧できることになりました。 2008年(平20年)の(一般公開の)総火演は8月24日(日)。前泊や後泊、移動手段などをいろいろと検討しましたが、仕事の都合で車移動とし、前日の23日晩に大阪出発、24日深夜に帰阪という強行軍での観覧となりました。 |
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【写真】入場できた人だけがもらえたパンフレットと入場券(非売品)。 2008年の物です。 |
◆///雨雨雨・・・/// ところが8月18日以降の天候は良くなく、御殿場地方では雨が続いていました。案の定、24日の御殿場地区の天気予報は雨。Σ(゚Д゚;)マジッ!? しかも当日は太平洋と日本海に低気圧が進んできて居座り、日本列島は低気圧に挟まれるとのこと・・・。せっかくの総火演なのに、雨の可能性が高くなってきました。(´・ω・`) ”あめふらし”の威力発揮ですか?断っておきますが、低気圧を召還しておりませんぜ。(;´∀`) 23日(土)18時過ぎの雨雲予報では、24日日中の御殿場地区には強い雨雲がかかるとのこと。テンションは激下がり・・・。行く気は下降線ですわ。翔鶴瑞鶴と検討しましたが、彼の強い希望により、現地まで行くことに決定します。 集合時間は2200。集合場所に到着すると同時に雨が降り出し、あれよあれよという間に大雨に・・・。洒落にならんがな。前途多難な模様です・・・。 翔鶴瑞鶴ともう1人A氏を車に乗せて一路御殿場目指して出発したのは2230頃。阪神高速経由で名神へ。京滋BP経由で新名阪に入りますが、この間、小康状態があったにせよ雨が続きます。鈴鹿山脈を越えると小康状態になりますが、日付が変わった24日0時過ぎ、四日市を過ぎて伊勢湾岸道に入ったとたんに前が見えないぐらいの大雨が・・・。雨雲を引き連れて東に移動しているようです・・・。 東名に入って岡崎付近から再び小康状態になります。静岡県に入り、浜松を過ぎると路面が乾いていたりします。場所によっては雨が降っていないようです。「もしや、明日は曇りか?」と淡い期待を持ちつつ、東へ東へ移動します。長い長い静岡県横断を終えて、御殿場に到着したのは0345頃。そして御殿場駅前の市営駐車場に到着したのは0400でした。 早朝にもかかわらず、駐車場は大混雑。下の階からスペースは埋まっており、駐車スペースを見つけたのは最上階近くでした。駐車場は0530頃には『満車』となった模様。総火演の日だけはすごい状態になるようです。 車で仮眠後、0530に駅前に移動。送迎バスはまだ動いていないのでタクシーに乗ろうかと思っていたのですが、なんと送迎バス(有料)は運行しておりました。往復1100円を支払い乗車。すぐに出発し、東富士演習場畑岡地区に向かいます。道中、歩いて現地に向かう強者さんが見られました。20分ほど走って演習場に到着。 現地は・・・雨でした。( ゚∀゚)ァハハ八八ノヽノヽノヽノ \ノ \ / \ / \ |
◆試射 もっと殺風景なところかと思っていたのですが、いろんな土産物屋や飲食系の屋台が並んでおり、お祭りのような状態です。土産物屋ではいわゆる”自衛隊グッズ”が数多く販売されており、コレクターさんの収集欲を刺激するようなグッズが販売されておりました。 0600前だというのに、現地は混雑しています。グッズ購入は後回しにして席の確保を優先します。当選券を入場券に交換して、EもしくはFスタンドエリアの一般観覧エリアに移動。シート席の最前列とスタンド席最上段はすでに埋まっていたため、スタンド席の前から3段目の席を確保。この後1時間ほどでスタンド席はほぼ埋まってしまいました。 0630頃、演習場に74式戦車と90式戦車があわせて10数輌登場。これだけのまとまった数の戦車が移動してくると迫力があります。所定位置に着くと赤旗が揚がりました。もしやと思っていると、”ズドンッ!”と実弾射撃。Σ(゚Д゚;) 2007年秋の八尾駐屯地祭で74式やFH70の空包射撃を見ましたが、実弾射撃はそれとは全く違って、空気がビリビリと震えるのを感じました。空包射撃だと”鈍い振動”がお腹に来たのですが、実弾射撃だと少し”鋭い振動”が頭から来るようです。地べたに座っていないから振動がお腹に来なかったのかも知れませんけど。気を抜いていたら、腰を抜かすような衝撃ですわ。 10発ほどの実弾射撃の後、戦車隊は撤収。続いて自走砲などがやってきては実弾射撃をして行きます。これらは『試射』と言われる予行演習。本番前の最後の練習ということになります。 写真を撮りたかったのですが、0600過ぎから雨が強くなったため、持参した一眼レフカメラを含めてデジカメを出すになれず撮影しておりません。本番に雨が弱まるか上がることを期待したのでした。 ですが、戦車隊が撤収した後の0700過ぎに、99式自走155mm榴弾砲と203mm自走榴弾砲がやってくるとそんなことも言ってられなくなりました。水没→故障覚悟でデジカメで撮影を始めます。 >>榴弾砲 |
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遠距離火力のうち、特化火力と呼ばれる部類のものです。 写真奥から、155mm榴弾砲FH70、203mm自走榴弾砲、99式自走155mm榴弾砲。
写真はFH70の実弾射撃の直後に撮影したもの。 射撃と同時にシャッターを押しましたが、遅れてしまいました。
この後、203mm榴弾砲と99式も実弾射撃をしております。 このFH70、試射後は自走して撤収していきました。
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上写真の右側にもう1輌の99式がいました。砲塔を90度回転させて射撃体勢をとっています。写真でも分かるとおり、各榴弾砲に赤旗が立っています。これは”実弾射撃しますよ”という合図。緑旗は”実弾射撃しません”という意味だとか。車輌によってはウィンカーで赤・緑を示しているのもありました。 ちなみに写真をよく見て頂くと、雨粒が写っています。これほど強い雨が降っていたのです。(;´∀`) |
>>迫撃砲 |
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0730、続いてやってきたのが96式装輪装甲車。
4輌ほどやってきて停車すると、後部からワラワラと陸自隊員が展開。 車輌の前でなにやら作業をしています。
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何を集まって何をしているかというと、迫撃砲の発射準備をしていました。
この後、81mm迫撃砲の実弾射撃を行います。
射撃が終わると96式に乗り込み、早々に撤収してゆきました。
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>>普通科火力 |
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0740、高機動車と73式小型トラック(?)がやって来ました。
この後、展開した隊員によって何かいろいろと撃っていたようです。 (遠くて分からないのと、雨で見えなかったのですよ。)
実家近くに陸自の某駐屯地があるため、高機動車や73式小型トラックは たまに町中で見かけていましたが、 こういう場所でああいう動きをすると、やはり”軍用車”であることを再認識します。
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一眼デジカメで撮影した4枚のうちの1枚。 スタンド席から300mm望遠レンズを使用して撮影しました。
平地の向こう側にある斜面に展開する87式偵察警戒車。 緑旗を立てているので、”わしゃ、実弾撃つ気ないよ”と表明しております。
北海道ツーリングなどで、演習移動のために舗装路を走る87式を見かけることがありますが、 こういう姿を見ると、はやり”軍用車”だなと思います。 たまにはこういう姿を見ないと。(;´∀`)
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泥を跳ね上げながら移動する87式。(・∀・)イイ!! 雨中でないと、こういう写真は撮れません。
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搭載する機関砲は25mm機関砲。 この後、試射をしていました。(・・・と思う)
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ここで掲載した4枚の写真が、今回一眼デジカメで撮影したすべての写真。 コンパクトデジカメとは画質が違うのが一目瞭然です。 300mm望遠レンズを使用すれば、スタンド席からでもこんな感じの写真を撮影できます。
ちなみにこの後は雨が強くなったため、 一眼デジカメを取り出して撮影する気が起こらず、 撮影はこの4枚で終わってしまいました。(;´∀`) 4GBのSDカードに4枚だけとは・・・。
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◆修行の時間 0800を過ぎると試射も終わり、後は総火演の本番開始までひたすら待つことになります。雨雲が切れる様子はまったくなく、どんよりとした雨雲が厚くなっていくような気がします。雨も強く降り始めます。とにかくデジカメを水没させないことだけに専念していました。 0800を過ぎるとE・Fエリアは相当混雑してきました。 |
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0715頃、試射の頃のシート席の様子。 ご覧の通り、3列ほどできているだけで、後ろはガラガラです。
シート席は折からの雨であちこちに水たまりができています。 隊員さん達が水をかきだしています。
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1020頃。総火演前段開始頃の状態。 ご覧の通り、シート席は観覧客で一杯。
もちろんスタンド席はすでに満杯。 0830以降に来た人達はシート席に誘導されていました。
ちなみに傘をさしている人が目立ちますが、 前段が始まると、皆、指示に従って傘をたたんでおりました。
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0830頃、雨は小康状態になりました。このまま止んでくれればと願ったのですが、つい先程ほどまで見えていた向こうの三段山が霧に隠れたかと思うと、再び雨が降り出しました。もう駄目かもしんない・・・(´・ω・`) 拡声器から『ただいまマイクのテスト中。本日は晴天なり。本日は晴天なり・・・』というマイクテストをする隊員のアナウンスが流れるたびに雨が強くなっていくような気が・・・。最初は「どこが晴天やねん!」と突っ込んでいた私たちでしたが、しばらくすると突っ込む気力もなくなり、ただただ雨中に座っておりました。 0900、雨は徐々に強く降り出します。雨の中、スタンド席で微動だにせず座り続ける私たち。かれこれ3時間ほど経過しています。このころになると疲れから意識がもうろうとしてきました。眠たくなりますが、膝上に抱えている一眼デジカメを落としてはならないと必死に睡魔と戦います。あ、息が白い・・・。どれほど気温下がっているねん。((((;゚Д゚)))) A氏は体が冷えてきたと訴えております。すまぬ。何も助けてあげられまへん。 両手の指もふやけています。皮がめくれそう・・・。雨で指がふやけるとは思わなんだ。状況は刻一刻と悪化してゆきます。それでも確保した席から動くことなく座り続けます。禅ですかね?もはや修行ですよ。修行。 0920を過ぎるといろいろとアナウンスが始まったので、どうやら総火演は予定通り実施されるようです。ここまで来て中止になったら暴動が起こりますわ。(;´∀`) このころになるとシート席も一杯になっています。 やまないまでも、雨は少し小降りになってきました。これならデジカメでもどうにか撮影できそう。(・∀・) そして1000、平成20年度富士総合火力演習が始まります。 |
◆総火演(前段) 総火演は前段と後段の2部構成で行われます。前段は”陸自の主要装備品の紹介”で、後段は”攻撃の場を通じた諸職種共同の戦闘様相の展示”となっています。前段と後段間の約15分の休憩を含め、だいたい1時間45分ほどの演習となります。 まずは陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長と各自衛隊のトップが黒塗りの車でやってきます。そしてSPに警護されて林防衛大臣(当時)が到着。大臣自ら出席とは珍しいのでは? |
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1010、総火演についての説明が行われた後、前段開始。
まずは航空火力。F2による対地攻撃ですが、悪天候のため中止。
爆撃したという想定で煙が上がり、榴弾砲群がやってきました。
さぁ、写真を撮ろうかと思ったら、
雨が強く降ってきた・・・_| ̄|○
あまりにも強い雨なのでデジカメでの撮影を断念。 本番の実弾射撃は、しかとこの目で確かめ、脳裏に焼き付きました。 こんなことなら試射でもっと撮影しておけばよかった・・・。
大雨の中、前段はプログラム通りに進行。
戦車の実弾射撃も終わり、最後の空挺降下も悪天候のため中止。
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最後はCH47が飛んできて前段は終わりました。 上のCH47の写真が、前段で唯一撮影した写真です。(;´∀`)
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◆休憩 前段が終わる少し前からシート席から多くの人達がゲート目指して歩き出しました。前段が終わるとその数は一気に増えます。トイレに向かう人や後段を見ないで帰る人達のようです。なのでゲート付近は大混雑。そんな大混雑をよそに、Aスタンド付近では音楽隊による音楽演奏が行われておりました。遠くてよく分からなかったのですが、73式トラック数両が音楽演奏に合わせて動くという『音楽隊とトラックのコラボレーション』と、礼砲を使用した『大砲コンサート』というショーをしていたようです。 1125になると後段が始まります。案内の放送が入ると、出ていた人達が帰って来ましたが、1/4ほどは前段が終わった時点で撤収したようで、シート席やスタンド席に空きがチラホラと目立つようになりました。この雨ですからね・・・。あめふらし@管理人も限界に近づいておりました。 |
>>その2に続く |