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●平成20年度陸上自衛隊八尾駐屯地祭(3)【2008年(平20年)10月11日開催】

■航空機着陸

 各車輌が展示エリアに移動すると、昼からの展示に向けてヘリが飛来して着陸します。1215、東の方向より3機のヘリが飛んでくるのに気が付きました。先頭はUH1ですが、あとの2機がわかりません。かなり細く見えます。 しばらくすると機体が近づきハッキリと分かりました。

 

 

 

OH1

 

(・∀・)

 

OH6Dの後継機種として開発された観測ヘリコプター。

機動性の高さでは定評のあるヘリコプターです。

 

続いて・・・

 

 

 

 

AH64D

 

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

 

 

 

 

AH1Sの後継機種として採用された戦闘ヘリ。

八尾駐屯地祭の”目玉”として大々的に宣伝されておりました。

 

 

 

 

UH1J

 

 

OH1D(左)とAH1S(右)

 

展示訓練で活躍したこれら3機種も飛来し、展示エリアの所定位置に着陸。

 

機体の周りに柵を設けて準備終了です。

 

プログラムに載っていたUH60Jは飛来せずでした。(´・ω・`)

 

1240から航空機展示と車輌展示が始まりますが、

1230から始まる『UH1体験搭乗抽選会』に並びます。

 

屋台で腹ごしらえしていたので、並んだのは最後の方。

並んでいる最中に「(当たりは)あと1つです」と言われました。

 

残り物にはなんとやら。

 

ガラガラを回しましたが、見事に”はずれ”_| ̄|○

今年も抽選に縁がありません。

 

ところが私の次の人が”当たり”を出していました。

前後賞ないのかなぁ・・・

 

残念。

来年こそは・・・(`・ω・´)

 

■航空機展示

 抽選の後、高機動車体験乗車の方に行ってみます。が、高機動車体験は大人気で長蛇の列。去年乗ったからいいかと展示エリアに戻りました。展示エリアの南側ではCH47の体験搭乗が行われていました。

 

 

当選した人たち(一回20名ぐらい)を載せて、少し移動して浮上。

ぐるりと15mぐらいの高さで周回して着陸。

搭乗位置に戻ってくる。

その繰り返し。

時間にして10分弱ぐらいです。

 

来年は乗りたいなぁ・・・(´・ω・`)

 

 航空機展示エリアに移動します。

 今回の目玉はAH64D。八尾駐屯地では滅多に見ることの出来ない機体です。駐屯地祭でもないと飛来しませんから。なのでAH64Dは大人気。周囲はカメラを持った人達で混雑しておりました。その中の一人が@管理人ですけど・・・(^^;)

 以下、各航空機の紹介。

●AH64D

 

 AH64DはAH1Sの後継機種として採用された戦闘ヘリ。アメリカのボーイング社製。 ロングボウレーダー(メインローターの上にある丸い物)を装備しており、256の目標を探知できる性能を有しています。デジタル式データリンクシステムも装備しており、OH1などの観測ヘリや司令部などと情報を共有できることも可能とか。

 21世紀前半の主力戦闘ヘリとして期待されていましたが、1機あたりの価格が高いことと、本家本元のアメリカ・ボーイング社でのライン閉鎖により調達が困難になったため、平21年度(2009年度)をもって調達打ち切り。13機にとどまるとのこと。あらら・・・。

●OH1

 去年の駐屯地祭での飛行展示で軽快な動きを見せてくれたOH1。今年は航空機展示のみです。

 先にも触れましたが、OH6Dの後継機種として開発された純国産の観測ヘリコプター。機体などは川崎重工、エンジンは三菱が開発しています。

 観測ヘリということですが、動きは大変軽く、去年初めて見たときは「ホントにヘリ?」と驚きました。

 AH64Dとデータリンクすれば、AH64Dの攻撃力は飛躍的にのびるんじゃないでしょうか。ただこちらも機体価格が高いため、OH6D全機を置き換えるのは難しいそうです。

 またAH64D調達打ち切りを受けて、OH1を戦闘ヘリにすると

いう話が出ていたそうですが、構造や強度的な問題などから難しいそうです。(パイロット談) 仮に開発するとしても、1から設計しないとだめだとか。そうなったとしてもOH1で採用された各技術や材料は採用されるのでしょう。ただし開発を川崎重工が受注するとしたらの話ですが・・・。(;´∀`)

●AH1S

 AH1S対戦車ヘリコプター。現在の主力戦闘ヘリとなっていますが、初導入が昭57年(1982年)なので、平20年(2008年)時点で26年も経過していることになります。後継機種のAH64Dの導入が白紙となったため、当分の間は第一線で活躍することになります。

 武装は機首に20mm機関砲の他、左右のウィングにTOW対戦車ミサイル、70mmロケット弾を装備することで、ヘリの火力支援能力と対戦車戦闘能力を飛躍的に向上させました。

 写真は地上展示のため、移動・着陸した直後に撮影。

 

●UH1H/UH1J

 あまりにもメジャーな陸自ヘリのUH1H/UH1J。ベトナム戦争で活躍した代表的なヘリです。さすがにそのころに導入された機体(B型)は退役しており、現在活躍するのはH型とJ型。そのH型はJ型に置き換えられて退役が進んでいます。

 H型とJ型の違いを見分けるのは簡単。ワイヤーカッターと呼ばれる角がついているのがJ型。あとは機首が丸みを帯びているのがH型で、ややとんがっているのがJ型という点。この2点が分かっていれば識別は容易です。・・・って知っていても日常生活には何の役にも立ちませんね。(;´Д`)

 写真は角(ワイヤーカッター)が付いているのでJ型です。赤くぬればH型の3倍の・・・ ヘ(^^ヘ)\(_ _;)

●OH6D

 OH6D偵察・観測ヘリコプター。卵形の胴体で、ドアを開けた状態を正面から見るとなかなか愛くるしい顔をしています。他のヘリに比べるとかな〜り地味な存在なので、ごらんの通りギャラリーも

あまりおりません。

 整備員に尋ねると、操作性は抜群だとか。特に足下までガラスがあるので着陸するのが楽だそうで、それゆえかヘリパイロット養成にはもってこいの機体とのこと。後継機種はOH1ですが、全機を置き換えるほど調達されないので、当分は元気な姿を見るこ

とが出来るようです。ちなみに海上自衛隊でもパイロット養成用ヘリとして採用しています。

●LR−2

 LR−2偵察・連絡機。アメリカのレイセオン・エアクラフト社が開発したキングエア350を陸自仕様として採用した機体。元々はビジネス旅客機です。

 陸自航空隊の固定翼機で、今回の展示のため(?)に木更津から飛来してきたそうです。整備員(?)の方が言うには、昔は八尾にも配備されていたとか。各駐屯地との連絡や地形撮影などに活躍しているとのこと。

 多くの人はヘリに関心があって、LR−2の周りにはあまり人が

おりませんでした。(´・ω・`) 「陸自航空機=ヘリコプター」というイメージが強いのでしょうね。

■車輌展示

 車輌展示エリアに移動。ヘリよりも乗って遊べると言うこともあって、子供には車輌エリアにある各車輌が大人気でした。ほとんど遊具化していた・・・。(;´Д`)

●FH70 155mm榴弾砲 

 陸自の主力榴弾砲。英独伊3カ国が共同開発した榴弾砲をラインセンス生産したもの。約490門も製造されています。

 砲身長は6022mm。最大射程距離は通上弾で24000m、噴進弾(RAP弾)で30000m。自動装填で毎分3〜6発の発射が可能となっています。

 目的地までは車輌に牽引されて移動しますが、FH70自体は1700ccのガソリンエンジンを搭載しており、短距離であれば自走による移動が可能となっています。そのため牽引されて移動後の発射位置までの展開が早く行えます。

 

 

●74式戦車

 74式戦車。いかにも”戦車”という感じの戦車です。ごらんの通り遊具と化しており、子供達が列をなして上るのを待っています。

 後継としてTKXが開発されており、制式化され量産されることがほぼ確実となっています。すべてが退役するまでは時間がかかるので、まだ当分は主力戦車としてあちこちで見ることができます。

 このあとで戦車操縦士さんと話しましたが、TKXはすごい戦車

だそうです。

 

 

●87式偵察警戒車

 74式戦車の隣にいたのが87式偵察警戒車。偵察任務を主とする偵察車両です。回転砲塔には25mm機関砲を搭載。機関砲の同軸には74式車載7.62mm機関銃を装備しています。

 キャタピラではなく、6輪のコンバットタイヤで動き回るのは、舗装化が進んだ日本の道路事情を考えてのこと。ちなみにタイヤは多少の被弾でも走り続けることができるそうです。

 やはり74式の方が目立つため、皆そちらに行ってしまうので人気は今ひとつでした。

 

 

●82式指揮通信車/偵察バイク

 82式指揮通信車は、日本において戦後初めて採用された装輪式装甲車です。その名の通り通信機能に特化した車両となっています。通信車ですが、62式7.62mm機関銃と12.7mm重機関銃を装備することができます。3軸6輪駆動車ですが、このサイズのスタッドレスタイヤがないために冬季はチェーンを巻く必要があるとか。また運転席からの視界が悪いため、操縦には それなりの経験と技能が要求されるそうです。

  偵察バイクはカワサキのKLX250とホンダのXLR250。陸自向けに開発された専用バイクではなく、市販車のままだとか。XLR250は生産終了しているので、今後はKLXとなっていくのでしょう。陸自仕様の08年モデルが出てくるかも知れません。

●軽装甲機動車

 軽装甲機動車。つまりは軽装甲車両。全国の普通科連隊に配備が進んでいます。駐屯地のある町であれば、時々普通に道を走っていることがあります。北海道ツーリングでも度々 見かけています。イラクに派遣された陸自部隊も持って行ってます。

 屋根に見えている銃架には5.56mm機関銃または89式5.56mm小銃を据え付けることができます。

 写真の車輌は36普通科連隊所属。ということは伊丹駐屯地配備の車輌ですね。ドアにタイガースの旗がプリントされていました。許可とっているそうです。

 奥にちらりと見えているのは1/2tトラック(73式小型トラック)。

●地対空誘導弾改良ホーク

 地対空誘導弾改良ホーク。つまりは地対空ミサイル。低高度で侵入してくる敵航空機を打ち落とすためのミサイルです。

 八尾駐屯地祭りでは運搬車に載せたままの状態で展示されていましたが、実際に発射するときは発射機に積み替えられるそうです。ちなみに展示されるときのホークミサイルは本物ではなく、単なるハリボテが装備されるそうです。万が一爆発したらえらいことですからね。

 改良ホークですが、現在は03式中距離地対空誘導弾への置き換えが進んでいます。

●航法援助装置(JMRN−A2)

 ひっそりと展示されていました。航法援助装置は、野外における航空機の航空管制および航法援助を実施するための装置だそうです。要は移動管制塔ということですか。

 73式中型トラックに、NDB(無指向性電波装置)、発電機、無線機を搭載しています。コンテナにまとめられているようで、必要に応じてトラックに積んで移動するということなんでしょう。

 地味な存在なので、見学する人は少なかったです。

 

 

 

●航空気象装置(JMMQ−M3)

 JMRN−A2の隣で展示されていました。航空気象装置は、野外において必要な気象情報を収集・処理を行い提供するための装置。小型の移動気象台みたいなものなんですかね?

 写真のレーダー車を始め大型トラック2両、小型トラック1両、トレーラ2両で構成されています。それらに分散して、移動気象レーダー装置、気象情報装置、展開地観測装置、移動気象観測装置、気象衛星受画装置、発電機、無線機などを搭載しています。

 写真は移動気象レーダー装置を搭載したレーダー車。下のトラックは73式大型トラックです。

 こちらも地味な存在なので人は少なかったです。

■駐屯地祭終了

 1430、航空機展示ならびに車輌展示が終了します。各航空機と各車輌は撤収準備を始めます。そして駐屯地祭の終了がアナウンスされました。

 それに従い@管理人も撤収します。出店村の各店舗はほとんどが売り切れ状態。今年は盛況だった模様。そういえば自衛隊限定発売の即席ラーメン、今年は売っていなかったな。

 

 

 正門を出たのは1450頃。祭りの後はどことなく寂しく感じます。また来年・・・。

平成20年度陸上自衛隊八尾駐屯地祭レポ 終わり

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