北海道ツーリング1997

 

 

 

 

 

期間:1997年9月11日(木)〜9月23日(火)

 

 

 

北海道ツーリング1997 その1:1997年9月11日(木)〜9月17日(水)

 1997年9月11日(木)

 95年9月以来2回目の北海道ツーリングである。前回の95年の時は、ただ単に北海道を1周しただけで終わったので、今回は道央や道南などの北海道内部をうろつくことにした。

 18:30に自宅を出発。阪和道〜近畿道〜中国道〜舞鶴道で一気に舞鶴まで走る。舞鶴市内で道を間違えてしまい、舞鶴の新日本海フェリーのフェリーターミナルに到着したのは21:30頃だった。手続きを終えて駐車場で乗船を待っている間に、山口県徳山市から来たF夫婦、大阪府のS君、神戸のU君、九州大分県日田市からはるばるやって来た元看護婦のUさんらと知り合い、気が付くと6人のパーティーが出来上がってしまった。乗船後、高知から来たというKさんも引き込み、パーティーは計7人となった。もちろん皆初対面。同じ北海道に向かい、北海道をバイクで走るということだけで簡単に意気投合してしまった。バイクツーリングの面白いところだ。

(9/11の走行距離:194km)

舞鶴港に到着。すでにバイクで一杯であった。

1997年9月12日(金)

 11日23:30、フェリーは舞鶴港を出港して北海道に向かう。F夫婦を除いた先ほどのメンバーで甲板をうろうろするが、寒くなったので2等船室に戻り寝ることにする。12日12時頃に目が覚める。昼飯を食べた後、皆で集まって北海道の話で盛り上がる。どこを走るだの、どこのキャンプ場がおもしろいだの、地図や情報雑誌を広げてあーだこーだ騒ぐ。こういう時が一番面白い。

 Fさんは北海道の白地図が書かれた大きな旗を持参してきており、ルートを書き込み、出会った人達の名前と住所を書いてもらうという。帰る時には真っ黒にして帰りたいとか。(Fさんは、『2X』というツーリング情報の同人誌のスタッフでもあった。)

 Uさんは、博多〜直江津の九越フェリーに乗るつもりが、バイクのエンジントラブルで舞鶴出港となり(でも舞鶴まで自走)、私らに出会ったという。エンジントラブルがなければ会えなかったのだが、こういう事もあるから旅はおもしろい。

(9/12の走行距離:0km)

フェリー甲板からの夕焼け。昼と夜が混ざる瞬間。

フェリーで会った人達と上陸記念ということで記念撮影。

1997年9月13日(土)

 寝ている間にフェリーは北に進み、13日4:00定刻通りに小樽港に到着した。2年ぶり2回目の北海道である。F夫婦とKさんはそれぞれの目的地に向かって出発。残る4人で小樽市街に向かう。ライトアップされた小樽運河を見に行ったのだが、早朝はライトアップされておらず単なる運河であった。

 小樽運河の浅草橋で会った車で北海道を彷徨くというおっちゃんに、鮮魚市場の食堂で朝飯が食べれるというので早速向かう。活気のある市場の中に『のんのん』という小さい食堂に入る。さすが鮮魚市場の食堂だけに、魚のネタは新鮮で豊富。出される量も半端ではない。そして何より良いのが値段が安いこと。ウニ、アワビ、貝柱が山盛りの小樽定食がたったの1500円(97年9月当時)であった。(日曜・祝日休み。営業は朝だけ)

 食堂を出た後、Uさんは富良野方面へ、U君は日高方面に向かうこととなる。R5でそれぞれの目的地に向かって別れるが、S君と私はしばらく一緒に行動を共にする。フェリーの中と小樽の朝を一緒に行動しただけであったが、フェリー乗り場で初めて会ってこういう仲になるのだから、バイクツーリングとは不思議だ。こういう出会いと別れがあるのが良いのだ。

 余市からR229に入り積丹へ向かう。最近まで分断国道であったが、1996年に西ノ河原TNが開通したことで、積丹半島を一周することが出来るようになった。R229は断崖に無理矢理道を通した国道で、『よくもまあこんな所に道を通したもんだ・・・』と思ってしまう箇所が何カ所もあった。96年にトンネル崩落事故を起こした豊浜TNを通過する。ここもそういう場所だったのだろう。

 積丹町にある神威岬に寄る。駐車場から岬の先端まで歩くと、そこにはめちゃ綺麗な海が広がっていた。岬の上から覗いても海底まではっきり見える。透明度20mあるとか。昔は海岸沿いに遊歩道があったのだが、岬の手前まで道が開通しすぐに訪れることが出来るようになったため、昔の遊歩道は通行禁止になっていた。岬から駐車場に戻ると、カラスに昼飯のおにぎりを持って行かれてしまっていた・・・

 神威岬を出た後、R229を南下して岩内町よりニセコパノラマライン(r66)を走る。森林の中を走る快適2車線ワインディング道路。途中の湯本温泉(国民宿舎秩父)に寄る。2つの泉質の内湯と4種類の露天風呂があって楽しめる。

 温泉を出た後、JR函館本線ニセコ駅に併設している『ヌプリ』という喫茶店で昼食を食べる。S君は、この後東京から自走+フェリーで北上してくる友達と長万部駅前で待ち合わせしているというので、ここでお別れとなる。

 一人となってr66を東に向かう。途中の真狩村で、関西人なら大ウケする『細川たかし歌う銅像』を見て行く。真狩からR230で洞爺湖まで南下し、洞爺湖の西側を半周して昭和新山に向かう。森の向こうに昭和新山が見るのだが、その辺りが50年ほど前まで畑だったとか。しばらく昭和新山を見ながらボーとしたかったが、周囲は観光地化されていて土産物が騒々しいので早々に出発し、本日の宿である昭和新山YHに向かった。

(9/13の走行距離:232km)

神威岬へは遊歩道をウネウネ歩くのだが、途中に女人禁制の門がある。

r66からだと羊蹄山がよく見える。

洞爺湖に到着。これから半周する。

1997年9月14日(日)

 昭和新山YHを8:00に出発する。R453を北上してオサル湯に向かう。長流川の河原にある無料露天風呂。川の増水時には水没するという温泉。川を間近に見ながら一人でのんびり浸かる。幸せな瞬間である。

 オサル湯を出た後、R453を南下して交通量の多いR37を西へ走る。途中で、昨日一緒に走ったS君と偶然すれ違う。お互い挨拶してすれ違う。妙にうれしくなる。

 R5に入って南下を続け、八雲町からR277に入って雲石峠を越して日本海に抜けて熊石町の平田内温泉に向かった。平田内温泉は渓谷の岩肌をくり抜いて出来た無料混浴露天風呂。渓谷を眺めながら入る温泉はまた格別。紅葉時期に来ればもっといいのだろうが、結構有名になったために人が多い。しばらくすると数人ほどやって来たので、早々に温泉を出た。秘湯は誰もいないのに限る。

 R229を南下して江差でR227を走る。そのまま函館には行かずに大沼公園に行く。土曜日とあって大沼公園周辺は大混雑。土日の観光地は、どこもこんなのなのだろう。大沼イクサンダーYHに寄り宿泊手続きをとる。YHに着いたのが早かったので、列車に乗って函館市内にでも行こうと思ったが本数が少なく断念する。YHに居ても暇なので、バイクで近くの東大沼温泉(留の湯)に向かう。ここは有料の温泉であった。

 この日のYHはライダーやJR組など計15人ほどになった。聞いた所では、連休と言うこともあって函館のホテル・民宿・YHからカプセルホテルに至るまで満員御礼。昼間の函館山も人だらけだったそうだ。あぁそうか。世間では連休なのだ。

(9/14の走行距離:291km)

平田内温泉の入口近くの岩からも温

泉が噴きだしている。天然のスチーム

だが、熱いので火傷します。

平田内温泉の脇はこういう渓流です。

1997年9月15日(月)

 神戸の新婚旅行中のライダー夫婦に見送られて8:00にYHを出る。R5を南下して函館市場へ向かう。市場内にも食堂があると聞いていたのだが、観光客でごった返していたので市場近くのラーメン屋に入る。エビ、ホタテ、イカ、カニやウニなどの新鮮な魚介類が山盛りのラーメンだった。北海道の港町のラーメンはひと味違う。

 函館を出てR278を海沿いに走る。途中で恵山と麓の石田温泉に寄ろうかと思ったが、水無海浜温泉が昼前に満潮を迎えるそうなので先を急ぐことにする。椴法華(ほどほっけ)村に入ってR278から離れて道道の行き止まり近くにある水無海浜温泉に寄る。波打ち際にある天然の露天風呂だ。ちなみに周りには何もない。丸見えだが気にせず裸になり入る。近くでスキンダイブしていた函館の人と色々と話していたが、満潮が11時で海水が入って来たため温泉を出る。お勧めの温泉だ。 

 温泉を出た後、R278を海岸沿いに北上を続ける。横風が強いが、95年の時の襟裳岬の横風のことを思えばどうってことはない。駒ヶ岳を見ながら北上を続ける。駒ヶ岳は大沼側とはまた違った姿を見せてくれる。森でR5にスイッチしてさらに北上を続け、秘境温泉二股ラジウム温泉に向かった。

 二股ラジウム温泉は世界でも珍しいラジウム鉱泉の温泉だそうで、何度か繰り返して入ると病気がよくなるという。そのためか湯治に来る人が結構多い。年季の入った温泉宿はなかなかの雰囲気だった。

 ラジウム温泉を出てR5に戻ってニセコまで走る。真狩村経由で喜茂別へ出て、R276で美笛峠を越して支笏湖に向かう。美笛峠の温度は7℃。結構寒かった。支笏湖岸を走る頃には陽は暮れていたのでゆっくりと走り、支笏湖畔のライダーハウス『樽前荘』に18:00頃に到着した。

 『樽前荘』にはすでに8人ほどのライダーが到着していた。ジンギスカン料理の晩飯の後、大阪から来た唯一の女性ライダーであるAZさんの部屋になだれ込み、管理人のおとーちゃん差し入れの焼酎で乾杯。夜中まで宴会となった。怪談から下ネタまでのいろんな話で盛り上がる。ギターを持ってうろついている人もおり、最後は演奏会となってしまった。ライダーハウスも面白い。

(9/15の走行距離:378km)

函館市場。JR函館駅のすぐ近くにある。結構混雑している。

ライダーハウス『樽前荘』。最近建て替えられたとか。

『樽前荘』で一緒だった人達と撮る。(9/16日撮影)

1997年9月16日(火)

 8:30に管理人のおとーちゃんに見送られて出発。唐松林を貫くr16で千歳市街に出る。R337〜r226でR234へスイッチ。トラックだらけのR234を、トラックの排ガスを浴びながら延々と北上を続ける。トラックだらけで嫌になる。岩見沢からR12を走ろうとしていたが、R12もトラックが多そうな気がしたので岩見沢ICから道央道に入る。

 奈井江砂川ICで下りて上砂川へ向かう。市街に入るが、昔の炭坑で栄えた街にはかつての面影はなくひっそりとしていた。日本一小さい『市』である歌志内市を抜けてR38に出る。空知川を見ながら快走する。富良野からR237を北上。ファーム富田に寄る。さすがにラベンダーは咲いていなかったが、コスモスやマリーゴールドは満開であった。

 この後、上富良野からr291を走り吹上温泉に向かう。r291は19日に道央で行われる『ツール・ド・北海道』のコースになっており、コースを示す旗が、この先白金温泉まで続いていた。結構急な勾配の道で、一部ダートのある1.5車線ワインディングの道なのだが、そこを競技用自転車で走る選手達は強者揃いなのだろう。

 テレビドラマ『北の国から』で一躍有名になった吹上温泉に寄る。無料混浴露天風呂で、湯は結構熱い。最近雨が少なく渓流から流れ込んでくる水が減っているからだと、地元のじーちゃんが話していた。元旅館の露天風呂は結構広い。雪中で入るのがいいのだろう。

 白金温泉に抜けてr966を美瑛市街に向かう。市街を抜けて民宿『星の庵』に向かうが、宿が見つからず迷ってしまう。さんざん彷徨いた挙げ句、17:30頃にやっとのことで民宿『星の庵』に到着した。

 この日の『星の庵』は関西人が多かった。特にライダーのYさんとTやんはめちゃ濃く(べたべたの関西人)、すっかり意気投合してしまった。食後のランプの明かりの中で宴会が始まる。酒を飲むのも参加するのも退散するのも自由な宴会。ライダーハウスとは違い、ライダーの他にも徒歩で旅する人やJR・車で移動する旅人が集まるので、結構広く情報が得られる。民宿泊もいいかも。

 翌朝晴れたら星を見に行こうという話になったが、残念なことに22時頃から雨が降り出した・・・

(9/16の走行距離:294km)

千望峠パーキングにあった花壇。こ

こからの大雪山の眺めは良い。

白金温泉から美瑛市街に向かうr

966にあった『ツール・ド・北海道』

の旗。後日この辺りを自転車で60

〜80k/hという速さで爆走するそ

うだ。

1997年9月17日(水)

 7:00に起きる。外は土砂降り。連泊決定。今日の北海道は全道的に雨。15〜16日にかけて九州〜本州を横断した台風19号から変わった温暖低気圧が北海道を通過するためだ。土砂降りの中、皆出発して行く。残ったのは私とYさん、Tやん、ベンツで旅行中のMさん。たけやんは車で出かけてしまったので、今晩の飛行機で東京へ帰るという千葉の郵便局員Nさんのレンタカーに乗せてもらって美瑛をうろつく。

 やっさんと私がNさんのレンタカーに乗り込むが、Nさんはひたすらあれこれ話し続けていた。雨の中白金温泉に向かう。ここでもひたすら話し続けるNさん。温泉の後、美馬牛駅近くの『みそら食堂』に移動。さらに『木のいい仲間』という喫茶店に移動する。この間も話し続けるNさん。夕方に『星の庵』に戻るまで、食事で食べ物で口が塞がる時以外は話し続けていた人であった。

 宿に帰るとまたいろんな人達が来ていた。晩の宴会の時に、明日は晴れそうなので早朝4時に望岳台に朝日を見に行こうという話になり、早くも23時頃に寝た。

(9/17の走行距離:0km)

『北海道ツーリング1997 その2』に続く

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