しまなみ海道を渡ろう!

 

〜原付道編〜

 

『しまなみ海道』には7つの大橋がありますが、その全てが徒歩・自転車・原付バイクで渡ることが可能です。

自動車専用道と違って自転車歩行者道と原付道では、他の人やバイクの邪魔にならない限り、

途中で止まって風景を見て楽しんだり、撮影したり絵を描いたり、

橋の途中で何度も引き返したり、橋の路面に寝転がったり出来ます。(尾道大橋では難しい…)

大三島橋と因島大橋では自転車歩行車道と原付道が一緒になっているので、

渡る時は注意が必要です。

他の橋では分離されているので対向車と横風に気を付けよう。

自転車歩行車道と原付道は各島に住む人達の大切な生活道路であることをお忘れなく。

原付道編 その1

 

来島海峡大橋

伯方・大島大橋

大三島橋

 

(他の橋は『その2』に掲載しています。)

伯方・大島大橋伯方側入口の前で記念

撮影。

 

しまなみ海道を渡ろう!〜原付道編〜 その1

来島海峡大橋:四国(今治)〜大島

 来島(くるしま)海峡大橋は『しまなみ海道』では一番最後の1999年(平11年)5月に開通(供用開始)した大橋で、世界初の3連続の吊り

橋。四国と大島の間の来島海峡という海の難所を越すだけに、架ける際には最新技術が用いられたとか。

 来島海峡大橋は、四国〜大島間の途中にある小さな島に支柱が立てられており、大島側より、来島海峡第一大橋(大島〜武志島:全長960m)、来島海峡第二大橋(武志島〜馬島:全長1515m)、来島海峡第三大橋(馬島〜四国本島:1570m)の3つの吊り橋で構成されている。総延長は4045mとなる。来島海峡第三大橋は、『しまなみ海道』中では単独橋としては最長となる。

 通行料金:自転車・125cc以下のバイクと原付バイク…200円

四国側の糸山公園から見た来島海峡大

橋。同橋を一望出来るが、あまりに巨大

で大島付近ははっきりしない。

 今治市内からR317を波方町方面に向かって走り、西瀬戸自動車道今治ICを過ぎて少し行ってから県道に入り糸山公園に向かって進む。『自転車道まであと○○km』との標識が立っている。その標識を追うように進むとやがて南東方向より西瀬戸自動車道が現れ、橋脚と橋の密集地帯に入る。糸山公園へ向かって急勾配・急カーブの2車線道を進むとカーブの途中に来島海峡大橋原付道の四国本島側入口に到着した。

 入口付近には休憩所があるので、自転車だとここで一休みしてから橋に向かうのがよい。ここで停まって撮影していたら、地元のおっちゃんがスーパーカブで通過して行く。自動車道を車がかっ飛ばしているのに対して、原付道はカブがゆっくりと走って行く。なんとも対照的な風景だ。原付道は『島の時間』が流れているようだ。

 自転車歩行者道と原付道は入り口付近で別れ、両道とも1車線幅の緩い勾配の橋で自動車道に近寄って行く。自転車歩行者道は緩やかな勾配が続くので少ししんどいかも知れない。自動車道の脇に出る。来島大橋では、自転車歩行者道は自動車道の西側(上り車線側)、原付道は東側(下り車線側)を通る。道幅は1車線ほどだが、原付バイクだけなら問題ない道幅だ。

 海面からかなり上に橋が架けられたようで下を通る船が小さく見える。来島海峡第三大橋から大島方面を見ると、すらっと一直線の橋が延びている。橋は少し勾配があるようで、四国本島側から大島側を望むことは出来ない。原付道は途中の支柱を避けるよう曲がっているので一直線とは行かない。まずは第三大橋をゆっくりと走ってみる。すぐ横の自動車専用道を車やバスが時間に追われるように走って行くが、原付道ではゆっくりとした時間しか流れておらず、時々停まって景色を楽しみながら進む。

 来島海峡第三大橋と第二大橋の接点である馬島に到着する。ここに『しまなみ海道』中唯一の有人料金所がある。馬島に下りる地元の人のための連絡道路がある。エレベータがあるので馬島に下りられるようだ。私が訪れた時は係員は席を外していたので、料金箱に200円を入れて先に進む。

 来島海峡第二大橋で、KSRUのスロットルを開けて約90km/hで走ってみる。海の遙か上をかっ飛ばすと気分爽快になれる。第一大橋でも途中で止まってしばらく付近の風景を眺める。原付の特権である。

 来島海峡第一大橋を渡り終えると、原付道は自動車道から別れて右に大きくカーブする。自動車道の下を潜ってしばらく行くと自転車歩行者道と合流し、その後は山肌をウネウネと勾配のある1.5車線道で進んで大島下田水(したたみ)港近くの県道に下りて来た。

 大島側の自転車歩行者道と原付道の入口は、下田水港から東に約1kmの所にある。

1.糸山公園から撮影した来島海峡第三

  大橋。走るとかなりの距離がある。

2.四国本島(今治側)の入口すぐの所で

  自転車歩行者道は原付道と分岐して、

  一度この上を通過して行く。

3.来島海峡第三大橋の途中で止まって

  撮影。左の車線が自動車専用道下り

  線。(今治側から撮影)

4.第三海峡大橋を渡ると料金所がある。

  有人料金所らしいのだが、係員は不

  在だった。

5.来島第一大橋の途中から撮影した島。

6.来島海峡大橋の自転車歩行車道と自

  転車道の大島側入口。ここから山腹を

  ウネウネと上って自動車道に至る。

◇◆◇ 来島海峡大橋 ◇◆◇

 全長約4.1kmもある大橋だったので、『しまなみ海道』中では滞在時間が一番長かった。原付でゆっくり走れば約15分ほどかかるだろう。

 大橋はとにかくでかい。よくもまぁこんな橋を架けたモノだ。人間の技術力ってすごいとつくづく感じた。海面からの高さが結構あるので天気が良ければ眺めは最高だろう。尾道大橋から四国に向かって進んできた場合、クライマックスの橋として最適である。

 横風が吹けば原付バイクであれば流される危険がある。風の強い日は連絡船で移動するのが賢明だろう。

 大島側の原付道取り付け部の区間は自転車歩行者道と併用となっている。ブラインドカーブが多いので走る時には注意が必要。対向バイクも結構なスピードで走って来る。

伯方・大島大橋:大島〜伯方島

 伯方・大島大橋は伯方島よりの伯方橋(全長325m)と大島よりの大島大橋(全長840m)の2つの橋から成る。全長は合わせて1165m。共に1988年(昭63年)に開通(供用開始)している。

 伯方橋は桁橋、大島大橋は吊り橋で作られている。遠くから見ると伯方島より1/3が桁橋で大島より2/3が吊り橋と見える。

 伯方大橋は『しまなみ海道』中、単独橋としては最短の長さとなる。

 通行料金:自転車・125cc以下のバイクと原付バイク…50円

伯方島のR317沿道から伯方大島大橋を

一望出来る地点があった。そこから撮影。

 R317で大島を縦断して北上すると宮窪町宮窪港に到着する。突き当たりの交差点を左折してr49にスイッチし約2km東に走ると伯方・大島大橋が見えてくる。

 伯方・大島大橋では、自転車歩行者道は自動車道東側(下り線側)、原付道は自動車道西側(上り車線側)を通っている。そのため、大島側の自転車歩行者道と原付道の入口は西瀬戸自動車道を挟んで別々に設けられており、自動車道東側に自転車歩行者道入口、自動車道を挟んだ西側に原付道の入口がある。

 原付道にはいると、やや勾配のきつい1車線道を上る。急カーブが連続し短距離で標高を稼いで自動車道と合流する。大島大橋の大島側に料金所がある。ここは無人で料金箱があるだけ。50円を入れて橋を渡る。

 吊り橋の大島大橋の原付道は結構広く1.5車線幅ほどあった。海側は柵がされていたが、道幅が広いためにバイクを停めて十分に景色を楽しむことが出来る。自動車道を車やトラックがせわしく通過して行く。

 840mの吊り橋を渡って見近島に渡る。見近島から桁橋の伯方橋に入るが、海を渡る橋と言うよりは高架橋を走っているような気になる。支柱などがないので開放感がある。伯方橋の中央付近で宮窪町から伯方町に入り伯方島に渡ると、左にカーブしながら自動車道から別れ、勾配のある坂道を下ってR317に出た。

 伯方・大島大橋の自転車歩行者道・原付道入口も別々に設置されていた。ここから北東へ約1kmで西瀬戸自動車道伯方島ICに到着する。

1.伯方島の原付道入口。自転車歩行者

  道と分離されている。入口はR317沿

  いにある。

2.大島側より伯方島方向を見る。伯方橋

  は桁橋で、ご覧の通り高架橋という感

  じがする。

3.大島大橋は吊り橋。海峡大橋という感

  じがする。原付道は広い。大島側より伯

  方島方面を撮影。

4.大島大橋の途中で座って記念撮影。

  こういうことが出来るのが原付道の特

  権。後ろからトラックが迫っているが問

  題なし。

5.大島側の原付道入口。橋脚挟んだ向

  こう側に自転車歩行者道の入口があっ

  た。写真奥が宮窪町宮窪港方面。

6.大島から大島大橋を撮影する。

◇◆◇ 伯方・大島大橋 ◇◆◇

 この橋は復路に渡ったので、実際には伯方島→大島に向かって走っている。走った時間は17時頃で写真を撮っている間に、伯方島から大島に帰る人達の原付バイクやカブを多く見かけた。生活道路の印象が濃い橋であった。

 約1/3が桁橋で残る約2/3が吊り橋という珍しい連接橋だった。その接合部分となる見近島には、自転車歩行者道か原付道から見近島の展望台に向かう小道があったような気がする。時間的に余裕がなかったので確認はしていないが、行けるのであればゆっくりと展望台で休憩するのも良いだろう。

 伯方・大島大橋の自動車道は対面通行の片側1車線で、自転車歩行者道と原付道は空いた車道のスペースを使用しているようだった。大島側にある自動車専用道のTNを見ると将来は片側2車線にするようなのだが、その時自転車歩行者道と原付道はどうするのだろうか?

大三島橋:伯方島〜大三島

 大三島橋は、伯方島と大三島を結ぶ全長328mの単独橋。1979年(昭54年)に尾道・今治ルートでは一番最初に完成した橋である。橋は『しまなみ海道』中唯一のアーチ橋で、遠くから見るとアーチの弧が描く曲線が印象的である。

通行料金:自転車・125cc以下のバイクと原付バイク…50円

 R317で伯方島の海岸線に沿って北上すると途中から山中へ入って行く。西瀬戸自動車道が通過する辺りで自転車歩行者道・原付道に向かう道が分岐する。この1.5車線道をを約2kmほど走ると自転車歩行者道・原付道の伯方島側の入口に到着する。

 大三島に向かって左車線が自転車歩行者道で右車線が原付道という併用道路。カーブする1.5車線道を上ると自動車専用道の西側(上り車線側)に出てきた。自動車専用道は対面通行の2車線道路で、自転車歩行者道・原付道は将来の上り車線のスペースに設置されていた。

 橋の欄干側は自転車歩行者道なのだが、そのような区別は実質ない状態であった。柵越しに海を見ると穏やかな水面が見えたが、実は大三島が架かる鼻栗瀬戸は急潮で名高い所で、海面は穏やかに見えるが潮の流れは速いとか。船折瀬戸もすぐ近くにある。この近辺の海は難所なのだ。

 大三島に渡ると無人料金所があった。料金箱に50円を入れて町道に出る。連絡道と町道の交差点付近にはスタンプ台があった。

 町道を北東に向かえばr51に出るが、南西に向かい海沿いに進む1〜1.5車線の道を走る。急カーブ・急勾配が連続する道で、徒歩や自転車では上るのが一苦労である。そういう道を約2km進むと瀬戸港に到着し、R317に出た。

1.伯方島のR317から大三島橋への

  連絡道の分岐点。ここを左に向かう。

2.約2km走ると大三島橋への原付道

  入口に着く。

3.大三島橋の自転車歩行車道は海側(

  写真左側)で、原付道は道路側(写真

  右側)。(伯方島側から撮影)

4.大三島橋の料金所。大三島側にあっ

  た。ここも無人。

5.大三島側の大三島橋の入口。写真右

  の道を進むと瀬戸港に至る。

6.伯方島の開山展望台への道の途中

  から撮影した大三島橋。アーチの曲線

  が美しい。

◇◆◇ 大三島橋 ◇◆◇

 大三島橋は往路と復路に走っているので一往復したことになる。自転車歩行車道と原付道の区別はあるものの、自転車と歩行者が居なければ原付道となるので、実質区別はない。自転車と歩行者が居る場合は注意が必要だ。

 自転車歩行車道・原付道への入口までは、R317からはかなり離れている上に、ブラインドカーブの多い1〜1.5車線道路を走らなくてはならない。徒歩と自転車では入口に着くまでに疲れてしまう。またバイクだと歩行者と自転車に注意しなくてはならない。

 大三島橋の大三島側にはスタンプ台があった。他の橋の自転車歩行車道にはスタンプ台が設置されているらしいのだが、原付道には設置されていない。バイクで訪れてスタンプを押せるのは大三島橋とまるまるはしだけらしいので、必ず押しておこう。

 復路の大三島橋の料金所で写真を撮っていたら、地元の高校生らしきにーちゃんが白ナンバーのバイク(恐らくHONDAの250cc)で金を払わずに通過して行った。地元の人は通行料金払わないのだろうか?それよりも、原付道を250ccバイクで走るのは問題だと思う。

しまなみ海道を渡ろう!〜原付道編〜 その2

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