●2007年(平19年)度海上自衛隊練習艦隊

 2007年(平19年)3月末に、江田島の幹部候補生学校を卒業したばかりの幹部候補生を乗せた海自練習艦隊が神戸港に寄港しました。遠洋練習航海に向かうべく、一路横須賀へ向かう途中に立ち寄ったもの。接岸した突堤は新港第四突堤。ジャンボフェリーが接岸する第三突堤の隣にある突堤でした。

 練習艦『かしま』を始めとする3隻の艦隊で、3月24日〜25日にかけて一般公開が行われました。昨年(2006年)の大阪港寄港時の一般公開では乗船できなかった『かしま』にやっと

乗船することができました。ヽ(゚∀゚)ノ

 

>>2007.09.02 Update

 

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■2007年(平19年)度遠洋練習航海

 『練習艦隊』とは、海軍(日本の場合は海上自衛隊)の要員訓練のために組織された艦隊のこと。海上自衛隊の場合は、毎年、幹部候補生学校を卒業した海自幹部候補生が乗船して遠洋航海に向かう。1957年(昭32年)に第1回の遠洋航海が実施され、以来2007年(平19年)度まで計50回実施されている。

 今回、神戸港を訪れた練習艦隊は、2007年(平19年)度遠洋練習航海に参加するために呉から横須賀に向かう海自練習艦隊。練習艦『かしま』(TV3508)、同『 しまゆき』(TV3514)、護衛艦『さわぎり』(DD157)の3隻。2007年4月20日〜9月21日にかけての155日間の遠洋航海を実施。アメリカ、エルサルバドル、チリ、ペルー、仏領ポリネシア、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシア、大韓民国の以上10カ国(12寄港地)を訪れる航海となった。

●神戸に海自がやって来たヽ(゚∀゚)ノ

 昨年(2006年)の寄港地は大阪港(天保山)だったのですが、今年は神戸港(新港第四突堤)となりました。神戸と高松を結ぶジャンボフェリーが接岸する第三突堤のすぐ隣です。ポートピアランドを結ぶ神戸大橋のすぐ下にある突堤で、ポートライナーからも見ることが出来ます。

 本来は客船が接岸する突堤なのでターミナルもあり、さらに対岸のポートアイランド北端にある北公園からも一望することが出来るため、撮影するにはちょうど良い突堤に接岸してくれたことになります。海自のサービスですかね?

 一般公開は2007年(平19年)3月24日(土)と25日(日)の2日間のみ。24日は『かしま』のみ。25日には残る2隻も含めて3隻が一般公開されます。昨年の大阪港での一般公開では、日程の都合で『かしま』公開時は行くことができなかったので、今回こそは『かしま』に乗ってやろうと新港第四突堤に向かいました。

 三宮からポートライナーに乗り込みます。週末と言うこともあり、神戸空港に向かう人達で混雑しています。ポートターミナル駅に近づくと、巨大な練習艦『かしま』が見えてきました。否応にも目立ちます。

 ポートターミナル駅で下車。左写真は駅から見た『かしま』。こんな感じで見えていました。いつもは客船が停泊している埠頭に自衛艦が停泊するのでかなり目立ちます。こういう風景を見ると、ワクワクしてきます。

 

●練習艦隊

 今回の練習艦隊は、練習艦『かしま』、同『しまゆき』、護衛艦『さわぎり』の3隻から編成されています。呉を母港とし、練習艦隊に所属しています。

 幹部候補生学校を卒業したての候補生(実習生)を載せて神戸に来港。神戸を出た後は一旦北上して大湊に向かい、その後横須賀に南下して4月20日からの遠洋練習航海に向かうとのことでした。

 

 

 練習艦隊の全景です。大阪港(天保山)のように渡船がないので、一般公開(午前の部)が終わってから練習艦隊の全景を撮影するために新港第四突堤の向かいのポートアイランド北端にある北公園に移動し、北公園付近から撮影しました。

 

 

 ターミナルビル寄りが護衛艦『さわぎり』、その横が練習艦『しまゆき』。搭載兵装はほとんど同じです。『はつゆき』型の運用実績から『あさぎり』型護衛艦は船体が大きくなっています。

 

 

 『はつゆき』型である『しまゆき』の全景。わかりづらいのですが、艦尾が低くなっています。1つにまとめられた煙突も『はつゆき』型の特徴です。

 

 

 練習艦『かしま』。遠くから見ても乾舷が高いことがよく分かります。『かしま』も艦尾にヘリコプター発着甲板が設けられており、船尾が低くなっています。艦の左舷側中央付近には2隻の搭載艇が見えます。前方の白紺の2色の艇が将官艇で、後方が作業艇です。ちなみに右舷側にも作業艇が1艇搭載されています。

■練習艦『かしま』 (TV3508)

 老朽化した練習艦『かとり』(TV3501)の後継艦として建造され、1995年(平7年)に竣工した練習艦。練習艦専用の艦として誕生している。各国を歴訪することが多い練習艦だけあって、応接室や迎賓設備も完備されている。

 遠洋航海に従事して世界各国を巡ることもあり、艦橋前の甲板室上には2門の礼砲が装備されているのも練習艦ならではある。

 また『かしま』には、練習艦でありながら76mm単装速射砲と短魚雷発射管を装備している。護衛艦の主要兵装となっているアスロック対潜ロケットやハープーン対艦ミサイルは装備されてはいないが、それらのシミュレーターが装備されており実練することが可能である。

●『かしま』Data

>>基準排水量:4050t/満水排水量:5400t
>>主要寸法:全長143.0m/幅18.0m/深さ12.3m
>>エンジン:ガスタービン2基 ディーゼル2基 2軸 出力:27000PS
>>速力:約25kt
>>乗員:約360名。うち実習生が125名。
>>主要装備:62口径76mm単装速射砲×1 3連装短魚雷発射管×2

>>竣工:1995年(平7年)1月26日/建造:日立舞鶴/所属:練習艦隊直轄/母 港:呉

 岸壁に出ると、南寄りに護衛艦『さわぎり』と練習艦『しまゆき』の2隻が接岸しており、北寄りに練習艦『かしま』が接岸しています。入口の位置からだと、『かしま』を船首から船尾方向に向かって一望することができます。護衛艦タイプと比べると乾舷が高いので、第一印象はかなり”大きな”艦に見えてしまいます。

 

 

 岸壁で船首から船尾を見るとこんな感じです。送迎デッキから見るのとは違い、近くで眺めるとやはり迫力があります。この位置からだと甲板上の76mm速射砲は見えません。乾舷が高いのがよく分かります。

 

 

 今度は船尾から船首方向を見てみます。船体中央から後部のヘリコプター発着甲板にかけて乾舷が低くなっていることがわかります。その付近は坂(通称「オランダ坂」)となっています。

 

 

 船尾から船首方向を送迎デッキから撮影しています。艦中央部の中央甲板から艦尾のヘリコプター発着甲板に向かって坂となっているのがよく分かります。後部のヘリコプター発着甲板は訓練甲板も兼ねており、また寄港地でのレセプション会場としても使用されるとのこと。

 艦尾側壁面中央にある四角い窓のある所がヘリ発着管制所ですが、写真を見ても分かるとおり、『かしま』にはヘリ格納庫はなく固有搭載機はありません。訓練の一環として他艦からのヘリコプターが離発艦することになっているようです。

中央付近から船尾方向を見ます。乾舷が高いの

で大きい感じを受けます。

中央付近から船首方向をみます。前方の護衛艦

が小さく見えます。

艦番号は『3508』。

 

 ラッタルを上って乗艦します。右舷中央甲板から通称「オランダ坂」を下って艦尾のヘリコプター発着甲板に移動します。「オランダ坂」は意外と勾配があります。前述のとおり、後部のヘリコプター発着甲板は訓練甲板も兼ねており、またレセプション会場としても使用されるとか。それなりに広い甲板でした。

右舷の通称「オランダ坂」。船体強度を保つため

に傾斜形状としているそうです。

ヘリ発着甲板兼訓練甲板。両側に「オランダ坂」

があり、正面中央にヘリ管制所があります。

送迎デッキから見たヘリ発着甲板兼訓練甲板。

ヘリ収納庫、整備施設はありません。

◇オランダ坂

 このような傾斜構造を「オランダ坂」と言われていますが、これは正式名称ではなく通称のようです。海上自衛艦上にある「オランダ坂」の名の由来は、本家本元である長崎の観光名所『オランダ坂』からだとか。

 中央甲板から一層低い後部甲板への段差を傾斜構造としたのは船体強度確保の目的からで、何も名所を設けるために作ったのではありません。この段差を角形にすると船体強度が低下するのだそうです。

 この傾斜構造を初めて採用した海自艦が、1958〜60年(昭33〜35年)に7隻建造された『あやなみ』型護衛艦。(1986〜90年にかけて全艦退役) 

1番艦『あやなみ』が三菱長崎造船所で建造されたことから、この傾斜(坂)を本家本元から名を取って「オランダ坂」と呼ぶようになったそうです。正式名称はあるんでしょうかね?

 ちなみに『あやなみ』型護衛艦は”オランダ坂護衛艦”とも呼ばれていました。

 再び「オランダ坂」を上って左舷側通路で船首甲板へ向かいます。途中で搭載艇の下をくぐります。2006年の時は右舷しか見ることが出来なかったので、2艇とも見るのは初めてです。後方(船尾寄り)にあるのが11m作業艇、前方(船首寄り)にあるのが13m将官艇。さすがに将官用ともなると豪華な造りです。寄港地でのレセプションに招待されたその国の要人や将校を送迎するからでしょうね。一般用(?)の作業艇の格差がよ〜〜〜く分かります。

 船首甲板に行くと、そこには62口径76mm単装速射砲がありました。訓練用とのことで、砲身の付け根付近にはモニター用のカメラが付いていました。訓練用ですが、もちろん実弾の発射も可能です。

救命筏の下を通って艦首へと向かいます。

その先に作業艇と将官艇があります。

こちらが作業艇。いかにも作業艇らしいです。

「かしま」の字体だけが将官艇と同じです。

こちらが将官艇。かなり豪華な造り。こちらは2軸

で27ノットの速力がでるそうです。

救命浮輪です。

 

3連装単魚雷発射管。これも訓練用のモノなので

しょう。

艦首の76mm砲。モニター用のカメラ がありま

す。送迎デッキから全景を撮影しました。

 艦内に入ります。入るとすぐに『かしま』神社があります。こういうのがあるところがいかにも”日本のフネ”です。階段を上って艦橋に上がります。練習船というだけあって他の艦艇に比べるとかなり広い艦橋となっています。いろんな機器も余裕を持って配置されています。実習生も来るので広くする必要があるのでしょう。

 艦内には他にも実習生用の講堂、シミュレーター室や司令官公室、特別公室などもあるそうなのですが、艦橋以外は公開していなかったので見ておりません。

 艦橋を出た後に下船。『しまゆき』『さわぎり』に向かいます。

艦橋への階段。上下が分離されています。

練習艦であっても角度は急です。

艦長席付近から艦橋内を見ます。各機器とも”ゆ

とり”を持って配置されています。

操舵機。車のハンドルのようです。補助ブレーキ

はありません。

きれいに磨かれたラッパです。ヽ(゚∀゚)ノ

 

右舷ウィングから見た船首。向こうに見えるのが

「しまゆき」(左)と「さわぎり」(右)

艦橋の前には礼砲があります。艦橋から撮り忘れ

たのでターミナルの送迎デッキから撮影しました。

練習艦『しまゆき』 (TV3514)/■護衛艦『さわぎり』 (DD157)

■練習艦『しまゆき』(TV3514)

 練習艦『しまゆき』は、もともとは『はつゆき』型護衛艦の12番艦として建造された艦で、1987年(昭62年)2月に竣工した。

1999年(平11年)、護衛艦から練習艦に種別変更された。

 『はつゆき』型護衛艦は新「八八艦隊構想」の基幹として12隻建造され、1982〜87年(昭57〜62年)にかけて竣工した海上自衛隊初のオール・ガスタービン推進艦である。当初は主力艦として護衛艦隊に所属していたが、1996年(平8年)以降に地方隊に異動となり、2006年(平18年)2月をもって全艦の地方隊への異動が完了している。なお地方隊異動以後はヘリコプターは搭載していない。

 『はつゆき』型護衛艦の代替護衛艦として、5000トンクラス護衛艦の建造が決定している。1番艦は2012年(平24年)就役予定となっており、『はつゆき』型も徐々に退役してゆくとになるのだろう。

■護衛艦『さわぎり』(DD157)

 護衛艦『さわぎり』は、1990年(平2年)に竣工した『あさぎり』型護衛艦の8番艦。

 『あさぎり』型護衛艦は、いわゆる新「八八艦隊構想」の基幹として『はつゆき』型護衛艦12隻に続いて8隻建造された。『あま

ぎり』型はヘリコプター搭載護衛艦であり、搭載数は1機だが、格納庫には2機収納可能になっている。そのため巨大な格納庫が見られるのが『あまぎり』型護衛艦の特徴であり、また欠点(レーダーに捕捉されやすい)でもある。

 なお1番艦でネームシップの『あさぎり』は2005年(平17年)に、2番艦の『やまぎり』は1年早い2004年(平16年)度にそれおぞれ練習艦に艦種変更されている。

 

 

【写真】: 神戸大橋の歩道から撮影した『さわぎり』(左)と『しまゆき』(右)。

●『はつゆき』型Data

>>基準排水量:2950t(8番艦の「やまゆき」以降:3050t)/満載排水量:4000t(「やまゆき」以降:4200t)
>>主要寸法:全長130.0m/幅13.6m

>>エンジン:ガスタービン4基 COGOS2軸 出力:45000PS
>>速力:約30kt
>>乗員:200名(うち実習員36名)
>>主要装備

  62口径76mm単装速射砲×1 高性能20mm多銃身機関砲(CIWS)×2 アスロックSUM8連装発射機×1 

  短SAMシースパロー8連装発射機×1 ハープーンSSM4連装発射機×2 3連装短魚雷発射管×2
>>ヘリコプター 地方隊異動後は搭載なし

>>竣工

 『しまゆき』:1987年(昭62年)2月17日/建造:三菱長崎/所属:練習艦隊第一練習隊/母校:呉/1999年(平11年)3月18日種別変更(DD133→TV3514)

 

●『あさぎり』型Data

>>基準排水量:3500t(5番艦の「はまぎり」以降:3550t)/満載排水量:4900t(はまぎり以降:4950t)
>>主要寸法:全長137.0m/幅14.6m/深さ8.8m

>>エンジン:ガスタービン4基2軸 出力:54000PS
>>速力:約30kt
>>乗員:約220名
>>主要装備

  62口径76mm単装速射砲×1 高性能20mm多銃身機関砲(CIWS)×2 アスロックSUM8連装発射機×1 

  短SAMシースパロー8連装発射機×1 ハープーンSSM4連装発射機×2 3連装短魚雷発射管×2
>>ヘリコプター 1機搭載

>>竣工

 『さわぎり』:1990年(平2年)3月6日/建造:三菱長崎/所属:第2護衛隊群第2護衛隊/母校:佐世保

 

 練習艦『かしま』の南寄りに護衛艦『さわぎり』と練習艦『しまゆき』の2隻が接岸していました。岸壁よりに護衛艦『さわぎり』が接岸しており、その隣(海側)に練習艦『しまゆき』が『さわぎり』にひっつくようにしています。『あさぎり』型と『はつゆき』型が隣同士でいるので、何かと比較することができます。

 

 

 船首方向から撮影しようとしたのですが、この撮影地点から前は立入禁止となっていたので、中途半端な写真になってしまいました。『しまゆき』の姿はほとんど見えません。

 この角度から『さわぎり』を見ると、艦橋後ろの煙突とその後ろにヘリコプター格納庫が見えています。艦橋横(右舷側)にある白い筒のようなものはCIWSと呼ばれる20mmバルカン機銃。全自動の対ミサイル防御兵器です。

 

 

 船首方向から撮影できなかったので、神戸大橋の歩道から2隻を撮影してみました。岸壁寄りが『さわぎり』で海寄りが『しまゆき』です。艦幅の違いが良く分かります。『はつゆき』型よりも後年に建造された『あさぎり』型は、船体上部構造物の鋼製化などの対策を行った結果、船体寸法が大きくなっています。

 

 

 ターミナルの送迎デッキから見た艦尾付近。両艦のヘリコプター格納庫から後ろ(船尾方向)の構造の違いが良くわかります。

ともに舷側の通路はヘリコプター甲板の下を通っており、シースパロー短SAM発射機を一段低くしてヘリの進入に配慮した構造となっています。

 『しまゆき』の格納庫内に見える白いプレハブは、訓練艦となった際に設けられた実習員講堂です。このため、『しまゆき』へのヘリ搭載はできません。

 岸壁から見た両艦の艦尾。ともに特徴のある形態をしています。艦尾方向から見ても『さわぎり』のヘリ格納庫の大きさが際だっています。このため 、『あさぎり』型護衛艦はステルス性の点で欠点を抱えることなります。

 

 

 『さわぎり』のヘリコプター発着甲板で展示されていたSH60J。『あさぎり』型には1機搭載できます。格納庫は2機まで格納することが可能で、そのために格納庫が大きくなっています。

●護衛艦『さわぎり』

 ラッタルで『さわぎり』に乗船。『さわぎり』→『しまゆき』→『さわぎり』の順に回ります。まずは『さわぎり』から。

艦尾から艦首方向を撮影。やはりヘリ格納庫が

大きい。艦橋が見えません。

上のと同じ写真です。艦橋後ろの煙突は2つあり

ますが、位置がずれているシフト配置だそうで。

艦番号は『157』。

 

艦橋内部。いろんな機器があります。

 

別アングルから。現役護衛艦ということで、結構

狭いです。

艦長もしくは司令(だったかな?)用の椅子。位的

には青>赤だったはず。冠位12階と同じだとか。

 『さわぎり』の兵装関係をまとめました。

チャフ発射機。

 

おなじみのCIWS。後ろの煙突前にハープーン発

射機が見えます。

艦橋から見た76mm砲。一般公開ということで、

後ろの点検抗の蓋が開けられていました。

76mm速射砲を近くから。『かしま』のとは違って

カメラは付いていません。

内部はこんな状態。”中の人”は入っていません。

全自動となっています。

これもお馴染みのアスロックSUM8連装発射機。

イージス艦などを除く殆どの護衛艦に搭載。

ハープーンSSM4連装発射筒。後部煙突近くの

左舷に配置されたものだと思います。

3連装短魚雷発射管。『さわぎり』左舷に配置され

ていたもの。向こうは『しまゆき』。

76mm速射砲用の模擬弾。持ち上げましたけど、

結構重かったです。

●練習艦『しまゆき』

 艦の間に架けられたラッタルを渡って『しまゆき』に移乗。回って行きます。ほとんどが護衛艦時代のままです。

『しまゆき』の艦番号。『さわぎり』から撮影。

 

『さわぎり』から『しまゆき』へはこれを渡りました。

手前(右側)が『しまゆき』。

なぜかママチャリがあった・・・。横のダミー人形、

首吊っているみたいです・・・(;´∀`)

艦内のラッセルを上って艦橋へ向かいます。相変

わらず急です。

『しまゆき』の艦橋。護衛艦時代のままなので、

『かしま』と比べると狭いです。

艦橋の左ウィングから艦首方向を見ます。

 

 『しまゆき』のように艦齢の若い艦を練習艦にするのは、第一線で活躍する護衛艦との兵装や各装備・機器に合わせ、レベルを上げるためだとか。以前は古い艦を練習艦としていたそうですが、それだと現役艦との差が大きいために教育訓練効果が上がらなかったそうです。そのため『しまゆき』の兵装や装備は、護衛艦時代とほとんど変わっておらず、改造(改装?)は実習員講堂をヘリコプター格納庫に設置したぐらいです。

 練習艦とは言え、元は護衛艦。なので有事の際には、最小限の工期で元の護衛艦に戻るようになっているそうです。

『しまゆき』の76mm砲。『さわぎり』艦橋より撮影

しています。

護衛艦にはお馴染みのCIWS。

 

アスロックSUM8連装発射機。現役護衛艦と同

じ兵装です。

左舷の3連装短魚雷発射管。

 

後部のシースパロー短SAM発射機。

 

『しまゆき』のヘリコプター発着甲板。格納庫には

講堂が設けられたのでヘリの格納はできません。

●SH60J

 『さわぎり』に戻ると、ヘリコプター発着甲板に誘導されました。そこにはSH60Jが展示されていました。SH60Jは海上自衛隊の主力哨戒ヘリコプター。1989年(平元年)から就役が始まり、艦載型・陸上型合わせて83機が配属されています。製造は2004年(平16年)度末まで行われ、総生産数は103機となっています。現在は後継機のSH60Kの配属が開始されています。

 SH60Jを見てから下船となり、これで一般公開は終わりました。

SH60Jを間近から。結構大きいです。

 

尾部を折りたたんだ状態で格納されます。

 

『さわぎり』の格納庫。SH60Jが2機格納できま

す。

●一言

 神戸港新港第四突堤付近は撮影ポイントが多く、岸壁以外にも旅客ターミナルビルの送迎デッキ、神戸大橋、ポートアイランド北端の北公園付近など、いろんな場所から撮影できるので助かります。(かなり歩きますが・・・) 入出港時も北公園から航行している姿を狙えるので、大阪港(天保山)よりは神戸港の方が楽しめます。

 聞くところでは毎年3月末は関西に来訪しており、大阪港(天保山)と神戸港を交互に訪れているとか。極東で有事がなく遠洋航海が行われるのであれば、来年(2008年)は大阪港(天保山)に寄港することになります。今度は夜間電飾の姿も撮影しに行きたいですね。

 今回は一般公開日の両日とも出かけ、初日に練習艦『かしま』、2日目に『さわぎり』『しまゆき』に乗艦し、全艦見てくることができました。実習生は上陸してあちこちに出かけていたとかで、対応してくれたのは本来の乗組員の方々、阪神基地隊からの応援の方々でしたが、親切に対応してくれました。自分でも的を得ない質問をしてしまったにも関わらず、嫌な顔せずに応対してくれましたし・・・。機会があれば、またお願いいたします。(;´∀`)

 今回は海軍兵学校に在籍していたという方とお話する機会がありました。カメラのシャッターを押してくれるよう頼まれたのがきっかけで、午後の部開始までの1時間近くを送迎デッキにあったベンチで、戦争当時の話から靖国参拝や憲法改正の話など、いろいろと話しておりました。老人に話しかけられやすい人間のようです。(^^;)

 最後に「子供が男なら、ぜひ海自に入隊させて幹部候補生学校に行かせなさい」と言われました。なるほど。そうすりゃ、観艦式の招待状が来るし、頼めば観たいときに自衛艦を見せてくれる かなぁ〜。(^^)\(_ _;)<ソレダケカ  親である@管理人が”下手れ”なんであかんやろ。(;´∀`) 少なくとも、ふぬけた人間にはならんかもね。

【取材日】2007年3月24日・25日

【終わり】

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