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>>2007.03.08 Update |
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■護衛艦『はたかぜ』 (DDG171) |
護衛艦『はたかぜ』は、1986年(昭61年)3月に竣工した護衛艦『はたかぜ』型の1番艦。 海上自衛艦第3世代のDDG(ミサイル搭載護衛艦)。 『はたかぜ』型の特徴は船首に設置されたブルワーク。後部甲板がヘリコプター発着甲板になったために、対空ミサイルの発射機が前部甲板に移動され、これらの関連装備ならびに発射機を波浪から守るために設置された。また後部甲板がヘリコプター発着甲板となったことから、フィンスタビライザーも設置されている。 兵装としては、DDGとして初めて専用のSSMハープーン(対艦ミサイル)発射筒が装備された。またCIWSも新造時から装備されていた。 計画では5隻建造されることになっていたが、防空ミサイルの誘導システムの対処能力に限界があることからイージスシステムの導入が決定。『はたかぜ』型は2隻の建造にとどまり、以後はイージス艦(『こんごう』型)の建造へ移行している。同型艦は 『しまかぜ』(DDG172)で舞鶴所属となっている。 |
●『はたかぜ』Data
>>基準排水量:4600t/満載排水量:5900t スタンダードSAM単装発射機Mk13×1 54口径5インチ単装速射砲×2 高性能20mm多銃身機関砲(CIWS)×2 ハープーンSSM4連装発射筒×2 アスロックSUM8連装発射機×1 3連装短魚雷発射管×2 >>竣工:1986年(昭61年)3月27日/建造:三菱長崎/所属:第一護衛隊群第61護衛隊/母港:横須賀 |
●『はたかぜ』3代 |
◆初代:駆逐艦『旗風』 旧帝国海軍の「八八艦隊」計画における主力大型駆逐艦として計画され、先に建造された『野風』型駆逐艦の改良型となる『神風』型駆逐艦の9番艦として建造された。 『神風』型駆逐艦は計画では27隻建造することになっていたが、ワシントン軍縮条約締結により9隻で建造が終わっている。 『旗風』は『神風』型駆逐艦の9番艦として、1924年(大14年)8月に『第九号駆逐艦』として竣工。1928年(昭3年)8月に『旗風』と改称された。大東亜戦争(太平洋戦争)開戦時は第3艦隊第5水雷戦隊に所属。主に南方方面の作戦に従事。1942年(昭17年)5月に横須賀警戒隊所属となり内地帰還。対潜水艦作戦に従事。42年9月には空母『雲鷹』護衛としてトラックに進出している。 1944年(昭19年)12月に南西方面艦隊第31戦隊第30駆逐隊に編入される。1945年(昭20年)1月15日、台湾の高雄港にてアメリカ艦載機の爆撃を受けて沈没。同年3月除籍。
◆2代目:護衛艦『はたかぜ』 元は1942年(昭17年)1月に竣工したアメリカ海軍のリヴァモアー/ブリストル級駆逐艦『メイコム』。駆逐艦として米大西洋艦隊 に配属されるが、後にエリソン級高速掃海艇に改造され、1945年(昭20年)1月に米太平洋艦隊所属となる。同年5月に沖縄沖で日本の特攻機の突入を受けて損傷。復旧工事を受けて復旧した直後に終戦。その後は大西洋艦隊所属となる。 1954年(昭29年)7月に予備役編入となるが、日米艦艇貸借協定により海上警備隊(海自の前身)に貸与され、『あさかぜ』級警備艦『はたかぜ』と改名する。1955年(昭30年)に日本到着。海上自衛隊発足後は第一護衛隊群に所属。1966年(昭31年)7月に練習艦となるが、69年(昭44年)10月に除籍しアメリカに返還される。 ちなみにその後の『はたかぜ』(というか『メイコム』)は、1970年(昭45年)8月に中華民国(台湾)海軍に引き渡され、駆逐艦『咸陽 』(シェン・ヤン)となった。その後、1979年(昭54年)に除籍となった。
◆3代目:護衛艦『はたかぜ』 省略。 |
『はたかぜ』一般公開 |
2006年(平18年)7月15日(土) |
久々の阪神基地での艦艇一般公開です。護衛艦の一般公開は、2005年(平17年)秋の『はまゆき』以来です。リンク先の『風色倶楽部』管理人のsatounoさんと一緒に参加しました。 |
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今回一般公開されるのは護衛艦『はたかぜ』。2隻しかない『はたかぜ』型護衛艦の1番艦です。横須賀を母港とする護衛艦なので、関西で見る機会はなかなかないので貴重な機会となりました。 satounoさんと阪神基地にて待ち合わせして、護衛艦『はたかぜ』に向かいます。土曜日ということもあって多くの参加者がおりました。 さて、この『はたかぜ』という艦名は、海上自衛隊の艦艇としては2代目、旧帝国海軍から数えると3代目となります。 |
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【写真】阪神基地の東岸壁に接岸している『はたかぜ』。 |
■前部甲板 艦橋横付近にあったタラップから乗船。そのまま左舷通路を通って前部甲板に移動します。『はたかぜ』型は後部にヘリ甲板を設けたことから、後部甲板にあった対空ミサイル発射装置などが前部甲板に移されています。そのため、他の護衛艦と比べると前部甲板にある武装が多いのが特徴です。後部甲板にも5インチ54口径単装速射砲が配置されているので、護衛艦の中では”軍艦”らしい護衛艦かも知れません。 前部甲板に配置されている武装は、艦橋寄りから、アスロック発射機、54口径5インチ単装速射砲、Mk13ミサイル発射装置の3種。Mk13ミサイル発射装置は初めて見ましたが、ランチャーだけがあるだけです。ミサイル本体は艦内にあり、発射のときは自動的に装填。1発発射すると自動的に装填位置に戻って次ミサイルを装填するという優れものだそうです。このミサイル発射機を波浪から防御する目的で艦首には「ブルワーク」が設けられています。これを装備しているのは『はたかぜ』型護衛艦の2隻だけとなっています。 |
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■後部甲板 右舷通路を歩いて後部甲板に移動します。途中にある68式3連装短魚雷発射管を見て、ハープーン発射筒の下をくぐって後部甲板へ。 『はたかぜ』の後部甲板には5インチ速射砲以外の武装はありません。速射砲の後方は広々としたヘリ甲板。ヘリ格納庫はなく、固有搭載のヘリは有していません。 |
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■艦橋 一回りして艦内へ。急な狭い階段を上って艦橋に向かいます。所狭しと置かれた器械の数々。操舵機や気象レーダーとか、一般のフェリーにも装備している器械もちらほらと。『機密の殿堂』たる戦闘艦の中枢CICはさすがに立入禁止でした。 操舵機の横に市販の扇風機が置いてありましたけど、艦橋内は暑いのでしょうかえん?そもそも冷房はあるのかね? |
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■艦内 艦橋を出てから艦内をウロウロします。『はたかぜ』は意外とあちこち見せてくれました。食堂も一般に開放。無料でお茶を出してくれます。驚いたことに厨房にも入ることが出来ました。どことなく学校の給食室の厨房という感じがします。さすがに260名もの乗員がいると大型の鍋が3つも必要となるようです。旧帝国海軍の戦艦クラスの厨房はもっと広くて凄かったのでしょうねぇ。 |
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■医務室 食堂を出て外に出ようと通路を歩くと、赤十字マークのついた扉のある部屋に着きました。医務室です。某ヤマトだと佐渡先生と森雪がいるところです。 扉から中をのぞいてみると・・・ |
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足が見えます。(゚Д゚ ;)
だ・・・誰かが手術台の上に寝ています。 一般公開の最中に何かがあったのでしょうか? |
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いくら一般公開だからといって、応急手術の様子まで公開しなくても・・・。
恐る恐る中をのぞいてみます。
そこに居たのは・・・
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マネキンでした〜〜〜。( ´∀`)
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普段あまり見ることの出来ない医務室。護衛艦の医務室は初めて見ましたが、病院などと違って簡単な設備しかなく、大きな手術は無理ですが応急処置は出来る設備になっています。戦闘艦だからそれがメインになるか・・・。 それにしてもわざわざマネキンを置くかぁ〜。後から来た人達も中をのぞいて一瞬驚いていました。(;´∀`) それを狙ってからなんでしょうかね? |
■艦首 |
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艦から下りて岸壁に戻ります。艦首方向から撮影するために移動。南岸壁には掃海艇がいたので東岸壁に接岸となったようです。東岸壁で助かりました。南岸壁だと、このアングルから撮影するのは難しいのです。 艦首の部分、左舷の錨の前方にある錨みたいなのが「ブルワーク」。これで艦首からの波を打ち消して、前部甲板にある対空ミサイル発射装置を波から守っています。海自護衛艦で「ブルワーク」があるのは『はたかぜ』型の2隻だけ。他の艦艇にはありません。 |
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これで一般公開は終わりです。なんだかんだで2時間ほどで一回りしてしまいました。艦首からの姿を撮影して基地を離れました。次の公開はいつ頃なんだろ?秋に観艦式があるから、今年はもうないかも知れません。(´・ω・`)ショボーン なら、観艦式に応募してみるか。 注>>応募しましたが、見事に落選しました・・・(つД`) |
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【終わり】 |
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