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◆掩体壕C

 集落の北西に位置する掩体壕。高知飛行場の掩体壕群の中では最大の大きさで、

おそらく現存する日本国内の掩体壕では最大級のものでしょう。掩体壕C正面の幅は約40m。小型掩体壕の2倍ほどの長さとなっています。大きさからして中型〜大型機用の掩体壕だと思われます。

 高知飛行場に一式陸攻や銀河などの大型機の配置があったのかどうかは分かりませんが、何らかの目的があってこのような大きさの掩体壕が建設したのでしょう。攻撃目標となったはずですが、破壊されずに残ったのは奇跡で す。

 外観はとにかく「大きい」の一言に尽きます。遠くから見ると巨大な蒲鉾型の構造物が小山のように水田の中に建っているのが分かります。大きいので周囲からよく見え、掩体壕@やA、Dからでもその姿を確認することができます。

掩体壕Cを正面から。田んぼの中に巨大な蒲鉾

型の建物が建っています。 小型機用同様、後部

に小さな入口があります。(0705)

正面が逆光気味だったので少し斜めから撮影。

垂直尾翼を通す切り込みが小さいのが分かりま

す。(0705)

脇の農道から表面を撮影。頂上付近に盛り土が

少しだけ残っています。コンクリ自体は石の多い

ものでした。(0705)

後部。小型機用と違い、かなりの大きさがありま

す。(0705)

小型機用とは違い、立ち上がりの角度は緩やか

になっています。(0705)

左斜め後方から撮影。

(0705)

真後ろから掩体壕を見る。後部には人員用(?)

の入口があります。(0705)

右斜め後方から。後部は蔦(?)で覆われています。(0705)

左は掩体壕Eと、その奥にある掩体壕Cがほぼ

同じ大きさに見えます。(0705)

 掩体壕内部は資材置き場というかゴミ捨て場のような状態になっています。近づいて正面上の壁を見ると、かなり大きなひび割れが入っており、一部ではコンクリートが表面から剥離して中の鉄筋が見えています。そのためでしょう。掩体壕正面にはコンクリート落下に注意を呼びかける看板が設置されています。

掩体壕正面の右端部。蔦や草木が浸食し始めて

います。(0705)

垂直尾翼が通る切り通しの部分は、角から大きな

ひび割れが生じていました。(0705)

コンクリートが剥離・脱落して中の鉄筋が剥き出し

になっています。(0705)

正面左端から右端(東→西)を撮影。大きいことが

分かります。(0705)

内部。あちこちから漏水しています。大きく脱落し

ている箇所は見られません。(0705)

後部分の内側。資材置き場となっています。後部

の入口から蔦が侵入していました。(0705)

◆掩体壕D

 県道沿いにある小型機用掩体壕で、掩体壕群の中で一番分かりやすい掩体壕でしょう。この掩体壕も水田の中に建っています。

 蔦が絡まり他の掩体壕とは違う雰囲気が漂う掩体壕となっています。内部は農機具置き場となっていました。

 周囲の道路に囲まれているので、掩体壕を四方から見ることができます。

 

 

掩体壕Dの正面。蔦で覆われており、独特の雰

囲気を漂わせています。(0705)

少し斜めから撮影。こう見ると長い歴史を感じま

す。(0705)

真横を撮影。表面には盛り土はありませんが、蔦

が覆い始めています。(0705)

左斜め後ろから撮影。

(0705)

後部を撮影。他掩体壕と同じく、人用入口が設置

されています。(0705)

右斜め前から撮影。

(0705)

 掩体壕Dは農地(私有地)内にあるので無断で立ち入ることはできません。たまたま農家の方がおられたので、許可を得て入らせてもらいました。

 あぜ道を少し歩くと掩体壕Dの正面に到着します。蔦がからみついた掩体壕は、築60年近い年月を感じさせてくれます。内部は農機具置き場となっており整理整頓されています。ただ天井を見るとあちこちから漏水やコンクリの剥離が見られ、劣化が進んでいることがわかります。

掩体壕Dを間近から。築後60年という年月を感じ

させてくれます。(0705)

ご覧の通り、大きな石が混ざった戦時形コンクリ

ートです。よくぞ保ったものです。(0705)

内部。農機具置き場となっていました。

(0705)

天井のコンクリ表面。漏水とコンクリ表面の剥離

が見られます。(0705)

後部の人用入口からは掩体壕Eが見えました。

(0705)

正面を見ます。県道と私のバイクが見えます。か

つては誘導路が通っていたのです。(0705)

◆掩体壕E

 掩体壕Dの西隣にある掩体壕。水田の中にあり内部の状態は不明ですが、道路から見る限りでは農機具置き場となっているようです。盛り土は残っておらず、コンクリ剥き出しのほぼ原型を保った状態で残っていました。

 2007年5月に訪れたときは、この水田は田植えをする直前だったので、左のような写真を撮ることができました。

 

 

 

少し離れて掩体壕Eを撮影。

(0705)

真正面から撮影。水田は一時期誘導路だったのです。(0705)

右横を撮影。盛り土はなくなっています。

(0705)

後ろから撮影。やや逆光気味です。前方に掩体

壕Dの姿が見えます。(0705)

水田の水がなければ基部の部分が見えるかもし

れません。(0705)

家屋の向こうに掩体壕・・・。ここでは普通の光景

です。 (0705)

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