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明石海峡は本州(明石)と淡路島の間にある海峡で、大阪湾と播磨灘をつなぐ海域です。最大水深は110m、最大潮流速は毎秒4.5mに達する海峡で、1日約1400隻の船が行き交う海上交通の要衝でもあり、漁場でもあります。 この明石海峡を渡る手段は、明石フェリーと明石海峡大橋の2つがあります。 |
明石フェリー:明石海峡を渡るフェリー。海を渡るには船が一番。明石海峡大橋を一望できる。 明石海峡大橋:世界最長の吊り橋。見ても大きいし、走ってみるとさらに大きさを実感出来る。 |
明石海峡を渡るフェリーは1954年(昭29年)4月に運航を開始しました。当初は兵庫県が地元運航組合に委託して運航していましたが、1956年(昭31年)からは日本道路公団を受け継ぎました。明石海峡フェリーは順調に業績を上げ続け、1986年(昭61年)に『明石海峡フェリー株式会社』として民営化された後も、1日104便(平日)年間航走台数100万台を越えていました。 1998年4月の明石海峡大橋の開通(供用開始)でフェリー航路が整理される中、明石海峡フェリーは減便や人員削減などにより存続しましたが、予想以上の利用者の激減により一時は廃航も検討されましたが、2000年7月から明石市など地元自治体による第3セクター会社『明石フェリー』に移行し現在に至っています。 (乗船日:2000年6月20日) |
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【明石→淡路島岩屋の便に乗船】 R2を大阪方面から走って来て明石市に入ると、JR山陽本線朝霧駅前付近からR28が分岐する。R28に入ってしばらく西に進むと明石市役所を通り過ぎ、2kmほどで明石フェリー乗り場に到着する。料金所で料金を支払い車両待機場に向かう。広々とした待機場がかつての栄華を物語っている。 この日は平日の15時過ぎであったが、大型トレーラと大型トラックが3・4台、乗用車が8台ほど乗船を待っていた。あとは淡路島に帰るであろう原チャリに乗ったおっちゃんと自転車でふらっと明石にやって来たという感じの初老のおっちゃんだけであった。 出航15分ほど前に岩屋からの便が到着。船首と船尾の両方に乗降口があるタイプのフェリー。淡路島から乗ってきた車やトラックがどやどやと下船してくる。心なしか淡路島から渡ってくる車・トラックの方が多いような気がする。姫路ナンバーのバイクによるツーリンググループも下りてきた。全て下船すると淡路島に向かう車・トラックの乗船が始まる。最初にバイクが乗船。船首の端の方で固定される。 客室に上がる。客室はリクライングシートとソファーが並べられてゆったりと座ることが出来る。窓が大きく室内は明るくて展望が良い。あいにく売店は営業していなかったが、自動販売機が甲板上に並んでいる。甲板上にはプラスチック製の固い椅子があるだけだが、客室内と甲板の両方から景色を眺めることが出来る。 明石港を出航すると、船はゆっくりと南西に向かう。港を出ると西の方に小さく明石海峡大橋が見える。まだ2本ある主塔の両方をカメラのフレーム内に納めることが出来るので、かなり遠い位置にあることになる。淡路島の岩屋港は明石海峡大橋の西側にあり、フェリーは大橋の下を潜るので徐々に大橋に近づいて行くことになる。最初は小さかった大橋が徐々に大きくなって行く。近づくにつれ、カメラのフレーム内から主塔がはみ出し始めた。淡路島側の主塔近づく。その巨大な主塔を思わず見上げてしまう。高さが約297mあるのだが、付け根付近から見上げるとその巨大さがよく分かる。 フェリーは明石海峡大橋の下を通過して大橋の西側に出る。こちら側から見てもでかさは変わらない。よくもまぁこんな大きな橋を造ったものだと感心してしまう。 明石港出航後約20分で、淡路島の岩屋港に到着した。乗り場が混雑するのはフェリー到着後のみ。下りた車・トラックが立ち去り、乗船する車・トラックが乗り込み出航すると、港は閑散としてしまった。昔は積み残されて次の便を待つ車やトラックがいたのだろう。 岩屋港のフェリー乗り場は、乗船車と下船車の出入り口が別々になっている。乗船する車の入口は大橋寄りにある。 |
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1.明石フェリーの明石港乗り場。 料金所を越すと待機場。 |
2.到着したフェリーから続々と車が下り てくる。 |
3.フェリーから見た明石海峡大橋。 大橋の西側から撮影。 |
4.大橋をくぐって東側に出る。フェリーから 大橋を見る。 |
5.明石フェリーの淡路島側乗り場。後ろ に明石海峡大橋が見える。 |
6.県道から撮影した大橋。巨大だ。 |
☆★☆ 明石フェリー ☆★☆ 明石フェリーの乗船料は、明石海峡大橋を利用するよりも安く設定されているので、会社の営業車や大型トレーラやトラックの利用が多い。明石海峡大橋を往復すると通行料金がバカにならないので、バイクでも片道を大橋で渡ってあとはフェリーというパターンの方が良い。 フェリーからは明石海峡大橋をずっと眺めることが出来る。明石→淡路島に向かう便から見れば、初め遠くに見えていた小さな大橋がだんだんと大きくなって行く様を見ることが出来るので、明石→淡路島便に乗ることを勧める。 また夜間は大橋がライトアップされるので、ライトアップした後にフェリーに乗って眺めるのもいいだろう。職場の後輩の結婚式二次会で、神戸港から明石海峡までをクルージングする船に夜乗ったが、ライトアップされた明石海峡大橋は昼間とは違う別物であった。 観光客などの車のほとんどが明石海峡大橋に流れてしまい、明石フェリーはかなり苦戦している。第3セクター会社への移行で、とりあえず航路は存続したが廃航の恐れは十分にある。明石海峡大橋を利用できない、自転車・原付・125cc以下のバイクの重要な渡航手段なので是非とも残って貰いたい航路である。 |
明石海峡をまたぐ明石大橋は、全長3911m、中央支間長1991m、主塔の高さ約297mという世界一の吊り橋です。巨大な吊り橋だけに、建設に使われた材料は、コンクリートが約1420000立方メートル、鋼材が約200000トンだとか。 1986年(昭61年)4月に工事着工し、順調に工事が進みました。しかし1995年1月17日の阪神・淡路大震災で一時工事が中断。この地震の時、主塔の位置が地盤ごと1.1mもずれたために全長が1mほど延びて3911mになったそうです。阪神・淡路大震災は大橋の真下で起こった地震でしたが、建設中の大橋への被害はほとんどなく技術力の高さが証明されることになりました。 建設工事が再開されると、あとは順調に工事が進み、着工より12年の歳月を経て1998年(平10年)4月5日に完成(供用開始)しました。 ちなみに世界二位の吊り橋はデンマークのグレートベルト・イースト橋(1624m:中央支間長)です。 (走行日:2000年6月20日) |
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明石海峡大橋を真下から撮影する。 よくもまぁこんなに巨大な橋を作った ものだ。 |
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【走行方向:淡路島→本州】 淡路ICから神戸淡路鳴門道に入る。神戸方面に向かって約2km走り右カーブを曲がると、正面に巨大な明石海峡大橋が見えてきた。まず目に付くのが巨大な主塔。とてつもなく高い。大橋は橋の中央がせり上がっているために緩やかな坂となっており、淡路島側から本州側を見ることは出来ない。 大橋区間は片側3車線。一番外側の走行車線を走る。路肩部分はアスファルトではなく金網で、真下の海面が見える。バイクで路肩に入れば金網が外れて落ちそうなので、路肩に停まる気がしない。 橋の中央付近を通過すると本州に向かって緩やかな坂を下って行く。途中で最大限路肩に寄って橋の下を見ると、通る貨物船が小さく見える。かなり高いところを走っているのだ。明石海峡大橋は満潮時の海面から約65mの高さにあるので、風の強い日はかなり揺れそうな気がする。 明石側の市街地の上を過ぎると大橋は終わる。淡路島から約3分ほどで明石海峡を渡ってしまった。 |
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☆★☆ 明石海峡大橋 ☆★☆ |
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明石海峡大橋は上下2層構造の吊り橋。淡路島の道の駅から見ると巨大な大橋だと感心してしまうが、実際に走るとその巨大さを実感出来る。車線は上下線とも片側3車線。直線区間なので車やトラックはかなりスピードを出して走っている。バイクで行くなら左端の走行車線を走った方が良いだろう。 明石海峡大橋を渡って本州に渡るとすぐに舞子TNがある。垂水JCTから走ると、TNを抜ければすぐに大橋を渡ることになる。暗いTNの中からいきなり広々とした橋を渡ることになり開放感が大きい。バイクで走るなら本州→淡路島方向に走ることを勧める。ただし、横風があるとTNを出た瞬間に流されるので注意がいる。 |
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淡路島北端の松帆の浦から撮影した明石海峡大橋。夜景は綺麗だろう。(松帆の湯から撮影) |
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明石海峡大橋はバイク・車共駐停車禁止となっている。走った日、どうしても大橋上の写真を撮りたかったので、デジカメを出そうと大橋手前の路肩に停まったが、気が付くと後ろにパトカーが・・・警官が下りて来て『何してる?』と聞かれたので、とっさに『背負ったバックのバックルが外れたので直している』と言ったら『直したらすぐに出発してや』と言って見逃してくれた。警官はキップを持って下りてきたのだが、幸い切られることなく済んだ。カメラを出していたらアウトだったに違いない。道路上から大橋を撮ろうとするなら走行中の車から撮影するしか手がないようだ。ちなみにパトカーは明石海峡(垂水JCT〜淡路IC間)を頻繁に往復しているようだ。(高速のTN出口ではネズミ取りをしているので注意!) 明石海峡大橋は上下2層構造だが、下の鉄道用は未使用のままで作業用通路が設けられているだけである。この部分に、『しまなみ海道』のような歩行者・自転車道や原付道を設置できないものだろうか? |